ホラーからギャグまで。鬼才・三宅乱丈の珠玉短篇集

コミック

2012/8/23

三宅乱丈作品集 ユーレイ窓

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 太田出版
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:三宅乱丈 価格:500円

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いやあ、すごくおもしろかったです。鬼才・三宅乱丈の珠玉短篇集『ユーレイ窓』。ホラーからギャグまで、厳選された7作品が一気読みできる、お買い得本です。

あらためて、多才な氏の、無尽蔵な引き出しに驚かされます。貧乏寺を専門学校化したシュールギャグのデビュー作『ぶっせん』しか読んでいない人は、三宅乱丈をギャグ作家だと思っているでしょうし、記憶の世界をイマジネーション豊かに描いたシリアスなファンタジー作『ペット』や、現在進行中の壮大なファンタジー巨編『イムリ』しか読んでいない人はSFファンタジー作家だと思っているでしょうが、どちらの顔も持っているのが、氏が鬼才といわれるゆえん。この1冊で、確かめることができます。本作は『ユーレイ窓』のタイトルどおりホラーが多め。しかし、しっかりとギャグもあり。1話として、オチの予想を裏切らないものはありませんでした。

各話の簡単な紹介。

●1話【47C6】…男が宝クジの当たりナンバーを知るための、あるサインに気づくが…。衝撃のラストはコズミック・ホラー(?)の世界に行き着きます。世にも◯◯な物語風。

●2話【ユーレイ窓】…表題作。窓にユーレイが映る部屋と、人死にと…。怪談モノかと思いきや、メインは推理モノ。ところが、最後には…。怖さに鳥肌が立ちながらページをめくりました。人は怖い。

●3話【ゴンベさん】…神隠し? アブダクション? まさかの都市伝説的なSFホラーモノ…かと思いきや、ラストはほっこり和む異色作。

●4話【逃げろ】…ホラーテイストから一転、笑いに変わる。「ああ、なるほどー」的な日常短編。

●5話【謀反「ラーメン説」】…なんと戦国の明智光秀が主人公。老いた明智光秀が「ラーメン屋をやりたいから退職したい」と信長に嘆願するが…。本能寺の変につながる事件の新説(?)。どこか涙を誘うギャグ短編。

●6話【ミント刑事】…ミント菓子を愛用する刑事が容疑者を取り調べる一幕。シリアスでシュールなギャグ。

●7話【手をつなごう】…手をつなぐことがテーマの、切なくハートウォーミングな話

興味を引く作品があったら、さっそく電子書店へ。きっとあなたも三宅乱丈先生のトリコに! オススメです。


1話【47C6】。宝クジで男に狂気が宿る

2話【ユーレイ窓】。窓にユーレイが見えた部屋に行ってみるが

3話【ゴンベさん】。都市伝説の「くねくね」とか「八尺様」とかが好きな人はどうぞ。読んだ日の夜は夢に出ます

4話【逃げろ】。雨の街灯の下にホラーがある

5話【謀反「ラーメン説」】。麺を恍惚の表情で打つ! 打つ! ひたすら打つ光秀

6話【ミント刑事】。床に落ちている、たくさんのミント菓子のナゾ

7話【手をつなごう】。男は、手をつなぐことに抵抗がある
(C)ラズウェル細木/リイド社