とにかく強い、でも野球以上にキャラが強い!! 距離感もおかしい…『ウチのバッテリーは何かがおかしい。』

マンガ

公開日:2021/6/17

ウチのバッテリーは何かがおかしい。 1
『ウチのバッテリーは何かがおかしい。 1』(N管ジャバ子/白泉社)

 2年ぶりとなる夏の高校野球の話題が聞こえ、野球好きがそわそわしはじめる季節となった。野球のルールには詳しくなくても、TVなどで爽やかな汗を流す球児を見かけると、ついつい応援しているという人も多いのでは? 高校野球ファンはもちろんのこと、「部活に一生懸命な青春男子たちに無条件の尊さを感じる」という人にもおすすめしたいのが、『ウチのバッテリーは何かがおかしい。 1』(N管ジャバ子/白泉社)だ。

 主人公の吉田は、野球の強豪校・夢勢野高校に通う、ごく普通の高校2年生。野球部でのポジションはショート、幼馴染のセカンド・西村らとともに甲子園を目指して部活に明け暮れる日々……なのだが、野球部の主将でもある吉田には悩みがあった。彼が所属する野球部の後輩、エースの1年生・比瑪川と、同じく1年生でキャッチャー・東のバッテリーの距離感が、ちょっとおかしい気がするのだ。

ウチのバッテリーは何かがおかしい。 1

ウチのバッテリーは何かがおかしい。 1

 どう見ても近すぎる、雰囲気も明らかにおかしい。チームメイトに相談を持ちかけてみるものの、「仲良いのはいいことじゃない?」などと取り合ってもらえない。ただ、夢勢野高校の野球部は、投手で持っているチームだ。試合さえうまく運べばそれでいい、たとえバッテリーの距離感が完全にバグっていようと、それが比瑪川の好投につながるのであれば、自分は黙って見守ろう……吉田はそう考えて、野球に集中しようとするのだが。

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ウチのバッテリーは何かがおかしい。 1

ウチのバッテリーは何かがおかしい。 1

 おかしいのは、なにもバッテリーだけではない。監督もマネージャーも外野手も、強肩のセンターもパワーヒッターのファーストも盗塁王のサードも、球児界隈で名前が挙がるほどの才能を持ちながら、やっぱりどこか、なにかがおかしい、執着の大きさと方向が普通じゃない。そんな部員たちを薄目で見ている吉田自身も、巻き込まれていることに気づいていない。わたしたちはそれを眺めるうちに、深く納得させられてしまうのだ──同じ夢を追いかける若人のあいだに絆あり、そして絆が芽生えるところには、同時にクソデカ感情が生まれているものなのだと。

 野球や部活ものの要素だけでなく、幼馴染や先輩後輩、兄弟関係、寮生活にギャップ萌え、果ては百合まで取り揃え、怒涛のようにたたみかけてくる新感覚BLメタギャグ4コマは、いわばキャラと関係性のヒットエンドラン、萌えの満塁ホームランだ。心のスコアブックにぐいぐいくる本作を手に取れば、スポーツ好きにも、そうでない人にも、球児たちを見守るアツい夏が訪れることだろう。

文=三田ゆき

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