育児を“手伝って”いるのがイクメンではない? 令和のパパが実践すべき子育てとは

出産・子育て

公開日:2021/9/1

パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ! ママの社会進出と家族の幸せのために
『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ! ママの社会進出と家族の幸せのために』(前田晃平/光文社)

 人間は他の哺乳類と比べて脳が大きい分、未成熟な状態で生まれてくる。赤ちゃんの小さな命を守るには、まわりの人間による世話が必要だ。

 しかし日本の社会は、果たしてどうなっているだろうか。

 核家族化が進み、かつては地域全体で担っていた子育ても、母親ひとりにしわ寄せがいっている傾向にある。男女格差を示すジェンダー・ギャップ指数2021では、日本は世界120位と低迷している。

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 赤ちゃんを育てるとき、「産後うつ」は大きな問題のひとつだ。本書では、産後のママの死因1位が「自殺」であることが示されているが、絶対に解消しなければならない課題である。当然、まず大切になるのは、「パパの家庭進出」だ。

『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ! ママの社会進出と家族の幸せのために』(前田晃平/光文社)は、育児休暇を取得した「普通のパパ」の前田晃平さんが、実体験とデータに基づいて男性育児の必要性を語る。noteの人気連載が書籍化されたものだ。

 大前提として、パパは子育てを“手伝う”のではない。

“育児にいちばん大切なのは、親としての主体的なコミットのはず。タイムマシンがあったなら、この時の自分を正座させ、小一時間こう説教したい。「お前は、お前自身の子どもの世話を、どういう了見で“手伝って”いるんだ?」”

 前田さんの育休生活は大変で、職場に復帰したときには「仕事の方が楽じゃねーか……!」と思ったそうだ。育休を取得した多数の男性が、前田さんと似た感想を持つことは多いという。なぜなら、前述したように赤ちゃんは未成熟な状態で生まれ、世話を必要としているからだ。授乳、オムツ替え、抱っこといった全ての場面で、保護者は受け身になって対応することが求められる。

 育休前に本を10冊買い、子育て以外の時間で優雅に読もうと目論んでいた前田さんの望みは、打ち砕かれた。しかしそうした体験こそが、育児を主体的に担うことにつながるのだ。その分、育児から得られる喜びもひとしおだろう。

 本書は、体験だけでなく、多くのデータにも根拠づけられているのが特徴だ。例えば、「ジェンダー・ギャップが改善すると出生率が上がる」というシンプルなグラフがある。日本ではよく女性の社会進出で出生率が下がるといわれるが、実際には逆のことが起こることを明快に示す。

 前田さんは、“令和を、男性の家庭進出の時代にしよう”と呼びかける。令和の子育てを考える上で、本書は外せない一冊と言えるだろう。

文=遠藤光太

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