一見クールで無表情なのに感情だだ漏れ!? 可愛い“殺し屋さん”との新婚生活に殺される…

マンガ

公開日:2021/7/8

拝啓…殺し屋さんと結婚しました
『拝啓…殺し屋さんと結婚しました』(高坂曇天/KADOKAWA)

 ギャップ萌え。普段はふわふわしているのに意外と頼りになるとか、普段はクールなのに実は照れ屋で天然だとか、そういう思わぬかっこよさ、可愛さが垣間見えたときにキュンとしてしまう症状のことだ。「ギャップ萌え」と一言で言ってもそのギャップの種類は無限大なわけだが、そんな中に「可愛い殺し屋」というジャンルが確かに存在するように思う。『拝啓…殺し屋さんと結婚しました』(高坂曇天/KADOKAWA)は、そんな可愛い殺し屋さんと、ごくごく普通のサラリーマンの夫婦生活を描いた漫画作品だ。

 本作品の主人公は、ふとしたご縁で殺し屋さん・せつなと結婚したサラリーマン。せつなさんとの生活は普段は特別変わっているわけではなく、よくある新婚夫婦といった感じの平和なもの――なのだが。せつなさんの包丁さばきがプロ級だったり、ゴミがちょっと物騒だったり、棚に不審な薬物があったりと、時折“殺し屋”を匂わせる非日常も潜んでいる。また、凄腕の殺し屋(自称)なので表情は殺しており、基本的にはとってもクール。

拝啓…殺し屋さんと結婚しました
▲プロ級の包丁さばきでお刺身もこの通り!?

 この2人の新婚生活をニヤニヤしつつ見守っていくのがこの本の楽しみ方だと思うのだが、せつなさん、クールなくせにやたらと可愛い。旦那の前では表情を殺しきれず必死だったり、朝が弱かったり、巨乳美人なお隣さんに嫉妬したり、意外とお酒に弱かったり、向かい合って眠れないくらいに照れ屋だったりする。無表情なのに、発言も淡々としているのに、内面では感情が激しく動いていることがひしひしと伝わってくるのだ。それでも必死で、一生懸命隠す。そんなせつなさんに、見ているこちらはまったく表情を隠せない……!

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拝啓…殺し屋さんと結婚しました
▲必死で表情を殺しているせつな。可愛い……

 また、手榴弾に目がついたような謎の髪飾りを愛用していたり、お気に入りの包丁に猫の柄が入っていたり、エプロンにさりげなくハートがついていたりと可愛いもの好きなのもまた魅力的なギャップの1つ。クールな殺し屋なのに! 選ぶものはことごとく可愛いなんて!! 「殺し屋」という特殊な境遇でなければ、きっと彼女はほわっとした穏やかな普通の女の子だったのではないか、と妄想してしまう。でも、そんな彼女が殺し屋であるところがまたいい。

 途中からは、せつな以外に妹のはるかや同僚のまりなど別の殺し屋さんも登場する。この2人も、見た目は美人なのに何かと残念というある種のギャップ持ちだ。

拝啓…殺し屋さんと結婚しました
▲殺し屋なのに人を殺せない、せつなの妹・はるか

 2巻ではせつなさんとの出会った経緯も描かれ、少しずつ2人を取り巻く人間関係も明かされていく。読めば読むほど温かさが増すこの『拝啓…殺し屋さんと結婚しました』。……と思いきや、2巻ラストではせつなさんの父に危機が迫るなど、気になる展開も発生!? 3巻は今年2021年夏ごろ発売予定とのことで、今後の展開を見られる日が待ち遠しい。

文=月乃雫

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