話題の映画『ハンガー・ゲーム』の原作を公開前・絶妙のタイミングで読む!

小説・エッセイ

公開日:2012/8/29

ハンガー・ゲーム(上)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / メディアファクトリー
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:スーザン・コリンズ 価格:450円

※最新の価格はストアでご確認ください。

今年3月に全米で公開され、センセーションを巻き起こしたジェニファー・ローレンス主演の映画『ハンガー・ゲーム』。同時期に公開された作品は『アベンジャーズ』『ダークナイト』『ハリー・ポッターと死の秘宝 part2』等、前評判の高い大作揃いだったにもかかわらず、これらの作品を向こうに回しながら4週連続での全米1位獲得の快挙を達成。この映画の原作に当たるのが、スーザン・コリンズの描く『ハンガー・ゲーム』。世界中で5,000万部以上の売り上げを誇る大ベストセラー作品の電子書籍版が、早くもリリースされた。

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舞台は「かつて北アメリカと呼ばれた大陸」。つまり未来のお話。巨大国家・パネムは、最先端都市キャピトルとその周辺12の隷属地区で構成される独裁国家。各地区の反乱を抑えるために行われる“見せしめ”がこの“ハンガー・ゲーム”。毎年12の地区から12~18歳の少年少女が抽選でひとりずつ「贄」として選出され、最後の1人になるまで殺し合いをさせられる、という残忍なサバイバル。このゲームの模様は一部始終が首都キャピトルと12の地区全てに生中継される。キャピトルの富裕層にとっては最高の“娯楽”であり、隷属地区の住民にとっては効果的な“脅し”。妹の身代わりで第12地区代表としてこの究極のゲームへの参加を余儀なくされた弓矢使いの少女、カットニス・エバディーンの活躍と苦悩が描かれた物語。

ゲームへのエントリーから開始までの描写がやや冗長な気がしたのだが、戦闘に入ってからの緊迫感・スピード感は圧倒的。前半の細かな描写が実は効果的に生きてくる。登場する他のキャラクターの個性もそれぞれに際立ち、緊張感に拍車が掛かる。そして何より凄いのは、題材から感じられる筈の“凄惨さ”が、それ程でも無いレベルで納まっていること。ここで行われる“殺し合い”が、趣味の悪い殺戮モノに成り下がっていないのは、主人公・カットニスの心の葛藤が場面ごとに丁寧に描かれているからに他ならない。

残念なのはこの電子書籍版上下巻が未だ全3部作の「第1部」であること。この篇のラストに説得力が無いワケでは無いのだが、とにかく先が気になってしまうのはちょっと問題。いや、大問題。続編のリリースは早急にお願いしたいところである。

そして、間違い無く「現代映像向き」な作品。この世界感が画面で鑑賞出来るのであれば、是が非でも観てみたい、と思わせてくれる。原作読了後に映画の予告編も確認したのだが、これが本当にイメージ通りの大迫力。国内での公開は2012年9月28日(金)。行くだろうな、初日に。


背景が美しいBOOK☆WALKERの本棚画面、表紙は上下巻でひとつのデザインになる造り

章ごとの中表紙は物語のキーとなる紋章のデザイン

かなりのページ数にわたり登場人物紹介がされており、必ず目を通しておくことをオススメします!

iPad横表示・縦書きは通常の文庫本と変わらない感覚で読書可能

翻訳モノなので横表示・横書きでも違和感なし、自動的に左綴じ・右開きが設定される

シンプルな.Book形式は美しいがそろそろ機能の追加が欲しい、特にしおり関連はなんとかして欲しい