人気モデルKanocoさんが、暮らしの中の「好き」を語るフォトエッセイ『かの・この・はなし』

文芸・カルチャー

公開日:2021/8/4

かの・この・はなし
『かの・この・はなし』(Kanoco/双葉社)

 ライフスタイル誌『OZmagazine』(スターツ出版)のカバーガールとしてお馴染み、ナチュラル系ファッション誌『リンネル』(宝島社)や『ONKUL』(三栄書房)などでも大人気のモデル、Kanocoさん。自然な笑顔に、シンプルだけれど気の利いたおしゃれが印象的な彼女が、オール私服&私物のライフスタイルブックを出版した。『かの・この・はなし』(Kanoco/双葉社)は、Kanocoさんが自身の暮らしを語る、ライフスタイルフォトエッセイだ。

日々のこと、ファッションのこと、大切な人との生活。わたしに欠かせないモノやコトについて書き綴ったこの本が、少しでもあなたの暮らしに寄り添えられたら嬉しいです。(「はじめに」より)

かの・この・はなし

 本書のさまざまなページにしろくまが登場するように、Kanocoさんは大のしろくま好き。家にはおよそ200匹のしろくま(のぬいぐるみやグッズ)がいて、そのすべてに名前がついているという。シンプルなファッションが似合う彼女だけに、ちょっと意外だと思う人もいるかもしれない。Kanocoさん自身も、できるだけシンプルに暮らしたいと考えているそうだが、「しろくまは白いから(部屋の)余白の一部扱い」とのこと。写真に添えられたKanocoさんの言葉を読んでいくと、彼女の暮らしが完成するまでの経緯がわかり、しみじみとした共感が生まれてくる。

かの・この・はなし

かの・この・はなし

「物を増やすのが好きではない」という彼女は、ファッションもキッチンツールも、お気に入りの食べものも、身の回りに置くものをひとつひとつ厳選している。だから、写真を説明するキャプションは、彼女がその対象に注ぐ愛情にあふれている。Kanocoさんが自身を振り返るエッセイからも、手帳にひとこと記すという日課や、モデルの仕事、黒髪ぱっつんのヘアスタイル、愛する人や新しい家族との暮らしは、さまざまな迷い、悩み、よろこびや楽しみの中から見出したものなのだと伝わってきて、等身大の彼女を感じられる。

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好きなものを好きでいることが、わたしにとっての自分らしさなんだと、この本を作りながら気付かせてもらいました。わたしを取り囲むたくさんの「好き」は、心を少し晴れにしてくれる。大事なものをたくさん抱えながら、軽やかに生きていきたいと思う今日この頃です。(「おわりに」より)

かの・この・はなし

かの・この・はなし

 ページをめくってKanocoさんの「好き」を知るうちに、憧れていた彼女が、ちょっと身近に思える1冊。きれいな写真を眺めることはもちろん、Kanocoさんの「好き」を自分の暮らしに取り入れてみることで、わたしたちの日々もかけがえのない愛おしいものになるだろう。

文=三田ゆき

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