痛み止めを飲みすぎると胃に負担がかかるって本当? 薬の知識をマンガで学ぶ

マンガ

公開日:2021/8/7

クスリとリスクと薬剤師
『クスリとリスクと薬剤師』(油沼/KADOKAWA)

 薬局の人に渡す処方箋に、使用期限があることを知っているだろうか。多くの人が診察を終えた足で薬局へ寄るため、あまり知られていないことかもしれない。実は、処方箋の期限は短く4日間しかないのだ。したがって、ゴールデンウィーク前や長い連休前に処方箋を渡された人は、なるべく早めに薬局で薬を受け取る必要がある。

 このような薬に関する豆知識や、医療従事者ではない僕らに役立つ情報を紹介してくれる漫画がある。タイトルは『クスリとリスクと薬剤師』(油沼/KADOKAWA)だ。本作を読むことで、薬局や薬に関する知識を得られるのはもちろん、薬剤師の仕事についても深く知れるようになっている。

 例えば、熱い夏の時期に注意が必要な“熱中症”。2020年の夏、熱中症の疑いで救急搬送された人が約6.5万人いることからも、いまや個々での予防や対策が必須といえるだろう。ただ予防に関しては、気をつけなければいけない点がある。その1つが経口補水液だ。本作によると、経口補水液では熱中症予防は難しいという。

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 そもそも経口補水液は、激しい運動で汗をかいたときや、下痢が続くときに飲むと効果を発揮するものなのだそう。つまり予防ではなく“対処”として摂取するのが好ましいのだ。また、多くの経口補水液には塩分と糖分が多量に含まれているため、糖尿病、高血圧症、心臓病を患っている人は、より気をつけなければならないという。さらに最新の補水液は従来のものと異なり、味も美味しく飲みやすくなっているので、とくに慢性的な病気を持っていない人も飲みすぎには注意した方がいいと書かれている。

 本作には、人によっては服用することが多い“鎮痛薬(痛み止めの薬)”に関する豆知識も載っている。痛み止めの薬には「飲み過ぎると胃が荒れる(胃に負担がかかる)」といった噂がつきもの。ただ本作では、これら噂を鵜呑みにしないように、痛み止めの薬のメカニズムがわかりやすく解説されている。ちなみに解説にはアラキドン酸やプロスタグランジンといった専門用語が登場するが、心配無用。医療従事者以外の方でもわかるように細かく噛み砕いた説明が付け加えられている。きっと、誰でも痛み止めの薬が効くまでのメカニズムや噂の真偽が理解できるはずだ。痛み止めの薬をよく用いる人は参考にしていただきたい。

 他にも薬、薬局、薬剤師に関する役に立つ知識が満載だ。ちなみに本作の内容は、薬局で働く薬剤師から提供してもらったネタが基になっている。彼らがどんな思いを抱きながら働いているのかがわかれば、薬局や薬剤師の存在がより身近に感じられるはずだ。

文=トヤカン

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