高麗のイケメン皇子が勢ぞろい! 皇宮が舞台のファンタジーラブロマンス時代劇『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』

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公開日:2021/8/21

麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~
(C)2016 Universal Studios, Barami bunda. Inc., and YG Entertainment Inc.

「おすすめの韓国ドラマ教えて?」そう女性の友人に聞かれたら必ずおすすめしている鉄板ドラマがある。それが『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』だ。タイトルだけ聞けば、イケメンパラダイス的なライトな胸キュンストーリーを想像される方が多いかもしれない。私もそのひとりだったが、このドラマは良い意味でそんな先入観を大きく裏切ってくれる。もちろん主演のイ・ジュンギをはじめ、カン・ハヌル、ホン・ジョンヒョン、ベクヒョン(EXO)、多彩なイケメンが勢ぞろいする良作であることに違いはない。しかし、タイトルからはおおよそ想像がつかないほど、胸をえぐられるほどの重厚なラブストーリーに、親子の確執や王室の覇権争いが絡み、自分の感情をコントロールするのにやっと…というほど、見る者を魅了してくれるドラマである。

麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~
(C)2016 Universal Studios, Barami bunda. Inc., and YG Entertainment Inc.

 恋人に浮気された挙句、借金まで背負わされてしまった化粧品販売員のコ・ハジン(IU)。ある日、湖に落ちた子どもを助けようとするも、自分も溺れて意識を失ってしまう。目が覚めると、なんとそこは高麗時代。コ・ハジンの魂を持ったまま、ヘ・スという少女になり代わってしまったことを知る。そして出会ったのは、見目麗しい高麗皇室の皇子たち。現代から高麗時代へタイムスリップしてしまったことにとまどうハジンだが、第8皇子ワン・ウク(カン・ハヌル)の言葉に救われ、ヘ・スとして生きいくことを決意する。

 一方、皇室での儀式に参加するため、養子に出されていた第4皇子ワン・ソ(イ・ジュンギ)が皇宮へ戻ってくることに。ワン・ソは冷徹な性格から「狼犬」と呼ばれて民から恐れられ、皇宮の中でも忌み嫌われる存在。しかし、ヘ・スはそんなワン・ソに何度も危機を救われる。皇子としての立場や危険をも顧みないワン・ソの姿に、これまでの偏見はなくなり、次第に距離を縮めていくふたり。しかし、ある時ヘ・スは現代の記憶がよみがえり、ワン・ソが弟や臣下を殺した残忍な第4代皇帝光宗であることに気がつく。未来を変えたいと願うヘ・スだが、ワン・ソは抗いきれない政乱に巻き込まれていく――。

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 タイムスリップといえば韓国ドラマではよく見られる設定であり、パク・ユチョン演じる世子がタイムスリップして現代を生きる『屋根部屋のプリンス』、イ・ミンホ演じる高麗の武士がタイムスリップして現代の女医と出会う『シンイ-信義-』などの人気作品が思い浮かぶ。もちろん本作品もそれらに勝るとも劣らない、見ている者(特に女性!)を楽しませてくれる名作だ。まず、コ・ハジンがタイムスリップしたその場所というのが、皇子たちの入浴場。武芸で引き締まった体つきの皇子たちが和気あいあいと入浴を楽しんでいると、お湯の中からタイムスリップしたコ・ハジン(ヘ・ス)がご登場! 「つかみはOK」と言わんばかりに、序盤から見ているこちらも盛り上がってしまう。

麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~
(C)2016 Universal Studios, Barami bunda. Inc., and YG Entertainment Inc.

 そして、個人の尊厳よりも皇帝の一声がすべてという時代背景、現代では化粧品販売員をしていたヘ・スの化粧の技術、高麗で学び直す文字の読み書き。1000年以上もの隔たりがある時代の違いが、第4皇子ワン・ソとヘ・スを時に近づけ、時に引き裂き、ふたりの関係性をつなぐ重要な物語のキーとなっている。

 さらに、ヘ・スに好意を寄せるのはワン・ソだけではない。第8皇子ワン・ウクは妻という存在がありながらも次第にヘ・スに惹かれるようになり、第10皇子ワン・ウン(ベクヒョン/EXO)や第14皇子ワン・ジョン(ジス)もまた、ヘ・スを姉のように慕いながらも好意を寄せ始める。ヘ・スに何かあるたびに「ヘ・ス!」と皇子たちが駆け寄るシーンはまさに眼福。しかし、このシーンで感じる幸せが大きければ大きいほど、この後は胸が締め付けられる怒涛の展開が待ち受けるのだ。

麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~
(C)2016 Universal Studios, Barami bunda. Inc., and YG Entertainment Inc.

 時折、正面からのアップで映し出されるワン・ソの美しい表情もまた良い。演出の意図にまんまとハマっているのかもしれないが(笑)、自分がヘ・スとなって見つめあっているような気分に…。そして気がつけばヘ・スにどっぷりと感情移入をしすぎるあまり、シーソーゲームのような恋模様に嗚咽するほど大号泣! 視聴するだけでかなりのエネルギーを消耗するのだが、「韓国ドラマってやっぱりすごい」そう再認識させてくれる名作だ。

文=多田恵

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