「できる子」にするための実践的親指南

更新日:2012/9/11

「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる法

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : PHP研究所
ジャンル:教養・人文・歴史 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:小林公夫 価格:668円

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リアル小学生男子の母にとっては夢のようなタイトルの『「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる法』。夏休みの宿題追い込みの時期と重なったのもあって、「すぐに実践できる○カ条」的なものを期待して、実は内心、かなり前のめりで手に取らせていただいた。

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医学部進学予備校のベテラン講師などを歴任した著者が書いた本だけあって、「できる子はここが違う」「ダメな子はこういうタイプ」といった実例がとても豊富なのがポイント。「結局、本人の“勉学”に対する自覚があるかないか、が大事なのだ」ということがさまざまな事例から伝わってくるが、一番知りたいのはそういう「自覚ある子」にするために親はどうすべきか、という点だが、それについては、各事例から得られる「正しい親の態度」がポイントとしてまとめられているので意識改革には役立ちそう。

総じて「自信を持たせる適切な声かけ」や、「裏方的な自主性のコントロール」が大事なようで、このあたりの見解は結局はどの教育関連本も指摘しているポイントではあり、この本の最大の利点は、それらが著者が実際に教えてきた子供たちを通じて得てきた知見ということだろう。まあ、即物的な心得を期待していた邪念たっぷりの母には、ちょっとロングレンジというか理想論的に感じるところもある感じか。しかしやっぱり、子育てに短絡的な解決策なんかないのが本当の姿なんだろう(かえって言い切られても嘘くさいし)。親の基本姿勢は「熱意を隠し持ちながら、あくまでも応援し、見守る」につきるのかもしれない。

なお、著者の子育て体験から、身近な会話から「より高いレベルの思考力」を磨かせるようにするなど、日頃から意識すればより向上しそうなアイディアも披露されている。ちなみになぜか中学受験対策の項は妙に具体的というかむしろハイパーで、志望校の出題分析、オリジナル問題集の作成などなど、盛りだくさん(おそらくこの層が読者のボリュームゾーンなのでしょう)。私だって「がんばってる子供と伴走する親」でいたいけど、正直「これだけやれる親はすごいかも」と単純に感心してしまいました。ごめんなさい(汗)。


目次より1 全6章で構成

目次より2 1章の続き 実例の多さがみてとれる

本文イメージ

各項の最後には、事例から引き出す親への指南が!