「学校に行きたくない」子どものSOSサインに親ができることとは?『不登校新聞』石井編集長による対応ノウハウ本

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更新日:2021/8/20

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること
『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(石井志昂/ポプラ社)

 お盆も過ぎると夏休みも後半。そろそろ新学期が近づいてくる。特に9月1日は子どもの自殺が多くなる日といわれており、学齢期のお子さんを持つ親にとっては注意しておきたいタイミングだ。もしもお子さんが「学校に行きたくない」と言い出したら、それはSOSの大事なサイン。親は「え? どうして?」と動揺してしまうかもしれないが、このSOSにいかに対応するかがお子さんの「心」を守ることにつながっていく。とはいえ、正直親としては「勉強も心配…」「社会性が身につかないのでは?」など不安もあるだろう。そんな方はぜひ『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(石井志昂/ポプラ社)を一読してみてほしい。

 著者はメディアにもしばしば登場する『不登校新聞』編集長の石井志昂さん。自身も中2で不登校となった経験を持ち、さらには不登校専門の新聞記者として20年のキャリアを重ねてきた人物であり、本書にはそうした経験から得た「学校に行きたくない子」への対応のノウハウがまとめられている。ご本人の経験だけでなく取材を受けた多くの親子が悩み傷つきながら獲得した知見がベースなだけに、そのリアリティは大いに参考になるだろう。

 もし本当にお子さんが「学校を休みたい」と急に言い出したら、親はどうしたらいいのだろう。本書によれば、そんなときは「休ませてあげる」のが一番だという。できれば「子どもの年齢にかかわらず、保護者の方も仕事を休み、その日は子どもと一緒にいてあげる」ようにして、「子どもがひとりで楽しんでいられるようなら、ひとりにしておき、子どもが話をしたそうであれば、聞き手になって耳を傾けて」あげるのがベストだ。突然のことに、つい「もう少しがんばってみよう」と言ってしまう親御さんもいそうだが、そんな方は要注意。ただでさえ子どもは強いストレスを受けて学校を休みたいと思っているわけで、励ましたつもりがさらなるプレッシャーになり子どもを追い込んでしまうこともある。とにかく、まずは「わかった」と、休みたい気持ちをしっかり受け止めてあげるといいだろう。とはいえ、休ませてはみたものの、親御さんの中には「このまま行けなくなってしまう?」「将来が不安…」などと考える方もいるだろう。そんなときこそまさに本書が大活躍。多くの実体験に基づいた知見が適切なアドバイスをくれるのでじっくり参考にしてほしい。

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 ちなみに、こうした「学校に行きたくない」というサインはある意味わかりやすい究極のSOSであり、実はこうした状況に至る前にも子どもからは多くのSOSサインが出ているという。たとえば「体調不良」「食欲不振」「情緒不安」「宿題が手につかない」「不眠」の5つは代表的なSOSサインであり、まずは親としてこれらが「サイン」だと理解しておくのも大事なこと。日頃から注意して見守ってあげるのも親だからできることだし、「あれ? なんか変かも」と先に気づいてあげられれば、子どもが深く傷つく前にケアしてあげられるかもしれない。

「うちの子は元気に通っているから大丈夫」と思っていても、知らないうちに子どもがストレス環境に苦しんでいる可能性もある。現在お子さんの不登校に悩んでいる親御さんだけでなく、親という「当事者」として、多くの親御さんがあらかじめ本書を読んでおくことは、いざというときに動じず、子どもの心をしっかり受け止めるための大事な準備になることだろう。

文=荒井理恵

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