「困った人」、もしかするとパーソナリティ障害のおそれあり
更新日:2012/9/21
あなたのまわりに「困った人」はいないだろうか。自分の話ばっかり喋って人のいうことを聞いておらず、しかもそれが全部自慢話だったりする。死病にかかったとか、両親が亡くなったとか、すぐ分かる嘘をついてなんとか自分に気をひこうとする。異常なほどの嫉妬心を持ち合わせ、パートナーや友人に対し、あらぬ思い込みでひどい仕打ちをかまわない人。もし思い当たるのなら、その人たちはもしかしたらパーソナリティ障害かも知れない。
パーソナリティ障害、または人格障害と呼ばれるのは、病ではないけれど、考え方や性格のいちじるしい偏りで、まわりの人を、そして本人をとても生きにくくする性格のパターンである。
本書は、そのパーソナリティ障害の本質とタイプを次の10種に分けて詳説する。
・境界性パーソナリティ障害
・自己愛性パーソナリティ障害
・演技性パーソナリティ障害
・反社会性パーソナリティ障害
・妄想性パーソナリティ障害
・失調形パーソナリティ障害
・ジゾイド性パーソナリティ障害
・回避性パーソナリティ障害
・依存性パーソナリティ障害
・強迫性パーソナリティ障害
たとえば回避性パーソナリティ障害の人は、極度に失敗や傷つくことをおそれ、行動に移すことができない。その結果なにもしないまま、怯えながら過ごすことになる。また、どうせ自分なんか「ダメだ」という思いを強く持っており、失敗したら立ち上がれないという恐れを常に持っている。問題はこの「極度に」という点で、その激しさが本人にとって通常の社会的生活を不可能にするほどの時、それを初めてパーソナリティ障害と呼ぶのである。
病気ではないので、薬やカウンセリングで治療するという方法も確立しておらず、意外に身辺にこうした「お騒がせの人」がいるものである。なにも本書でそんな人々をパーソナリティ障害に分類しないでもいいが、実に難儀な性格というものがこの世にあると知るだけでも興味深い。
実はわたしの母は妄想形パーソナリティでして、とむやみに知人や同僚にしつこく話し始めたとしたら、あなたは演技性人格障害だ。
パーソナリティ障害とは何か、その説明から始まる
それはいくつかのタイプに分けられる
パーソナリティ障害は、生きにくさの源でもある
周囲の人たちにも大きな迷惑を与えるのだ