「どうしてことばが遅いんだろう」子どものことばの遅れが気になったときに知りたいこと

出産・子育て

公開日:2021/9/15

ことばの遅れが気になるなら 接し方で子どもは変わる
『ことばの遅れが気になるなら 接し方で子どもは変わる』(古荘純一:監修/講談社)

 子どもの成長・発達にはそれぞれのペースがあるもの――そう頭ではわかっていても、なんとなく「月齢や年齢ごとの成長目安」にある程度沿っていないと不安というママ&パパは多いかもしれない。中でも1歳半くらいから気になりだすのが「ことば」について。個人差が大きいとは思いつつ周りのお友だちにことばが出始めると焦るし、ましてや乳幼児健診で「ことばの遅れ」を指摘されたらすっかり不安になってしまう…。

 もしも、そんな悩みを抱えているママ&パパがいたら、ぜひこの本を手にとってみてほしい。『ことばの遅れが気になるなら 接し方で子どもは変わる』(古荘純一:監修/講談社)は、発語のメカニズムをふまえた上で、声かけや読み聞かせ、スキンシップや感覚遊びなど発語に結びつく心と体への働きかけを具体的に教えてくれる1冊だ。

「『ことばの遅れ』と一言でいっても、背景はさまざまです。個人差もあります。過剰に心配していろいろな訓練をおこなっても、その子のコミュニケーション能力が改善するということは証明されていません」とは、本書の監修者であり青山学院大学教授で小児科医・小児精神科医の古荘純一先生。ママ&パパの中には「私の愛情が足りていないから?」と自分を責めてしまったり、習い事などの早期教育に力をいれて一生懸命になりすぎる人もいる。そんなママ&パパたちに古荘先生は「心配なあまりお子さんに無理をさせていませんか?」とやさしく問いかける。

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ことばの遅れが気になるなら 接し方で子どもは変わる p.10-11

 実はことばのいい間違いを正したり、発語の訓練ばかりさせたりするのは子どもにとって「ストレス」になる場合もあり、かえってことばの遅れにつながってしまうこともあるという。また不安を抱えているなど心理的状況によっても左右されることがあり、「発語の訓練にこだわるよりも、子どもに安心安全な環境を提供しながらいろいろなことを体験させるほうが、将来的にコミュニケーション能力を高める」と古荘先生。まずは本書で基本的な知識をおさえてママ&パパの漠然とした不安を取り除き、本書に紹介されている「子どもとの接し方」を実践してみるといいだろう。

ことばの遅れが気になるなら 接し方で子どもは変わる p.16-17

 ちなみに最近は社会的に「発達障害」に関心が集まっており、ことばの遅れをすぐに発達障害に結びつける人も多いという。だが1〜3歳くらいの子どもは発育過程での個人差がとても大きく、ことばの遅れだけで発達障害を診断することは困難なのが現実。古荘先生は発達障害の専門家でもあり、「安易に決めつけず、まずはことばを育てる環境づくりに重点をおきつつ、心配なことは専門家に相談を」とアドバイスする。

ことばの遅れが気になるなら 接し方で子どもは変わる p.80-81

「ことばの遅れがあると、親は心配になるものです。不安な気持ちを抱えていては、子どもの笑顔を引き出すことはできません。発想を変え、考え方を前向きにすることで、今すべきことが見えてくるはずです」と本書。ただでさえ不安なwithコロナ時代の子育てだが、こうした「信頼できる本」を頼りにするのは大きな安心材料になるに違いない。子どもはそれぞれ違う――この本と一緒にそんな原点を思い出し、おおらかに子どもの成長を見守ってあげてほしいものだ。

文=荒井理恵

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