「桃太郎」に続く第2弾! 漫☆画太郎先生が描く昔話「おおきなかぶ」の内容は…?

文芸・カルチャー

公開日:2021/10/6

おおきなかぶ~
『おおきなかぶ~』(ガタロー☆マン/誠文堂新光社)

 ギャグ漫画家・漫☆画太郎先生が、絵本業界に旋風を巻き起こしている。名前をガタロー☆マンに改め、世界の昔話をおもしろおかしくリメイク。「笑本(えほん)おかしばなし」シリーズと銘打ち、1作目の『ももたろう』は一度見たら忘れられない絵柄と、終始ハイテンションな展開で読者を爆笑の渦に包みこんでいる。画太郎先生のファンのみならず、子供たちも夢中で読んでいるようだ。

 そんな大好評の『ももたろう』に続き、このたび第2作『おおきなかぶ~』(ガタロー☆マン/誠文堂新光社)が発売された。今回も、ストーリーは誰もが知る「おおきなかぶ」なのだが……。

おおきなかぶ~

おおきなかぶ~

 でました、「ました!!!」。前作『ももたろう』と同様、ページめくりを利用して読者をじらし、「ました!!!」で回収していくスタイル……(笑)。さすが、「おおきなかぶ」を見つけるだけでこの盛り上がりである。

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 ただし、今回は『ももたろう』のように「ました!!!」だけで物語が進行するわけではない。「ももたろう」は、桃太郎が生まれる、仲間ができる、鬼を退治する……と、言ってみれば順風満帆に進む話である。だいたい「ました!!!」でいける。だが、「おおきなかぶ」はそうはいかない。

おおきなかぶ~

おおきなかぶ~

 そう、「おおきなかぶ」は簡単には抜けないのだ!

 おじいさんは、いろいろな人や動物に助けを求めながら、何度も「おおきなかぶ」を抜こうと挑戦する。「かぶは ぬけ……」で引いた次のページは、果たして絶望の「ませんでした!!!」なのか、歓喜の「ました!!!」なのか。大人も子供も先が気になって、どんどんページをめくってしまうはずだ。

 前作を読んでいるとニヤリとできるシーンもある。なんと、「おおきなかぶ」を引っ張る仲間のひとりに、『ももたろう』で強烈なインパクトを残していたあの動物が……!

おおきなかぶ~

 誰が助けてくれるのかも、はじめはシルエットのみ→次のページをめくると登場という流れで、飽きさせない構成になっている。たくさんの仲間とともに一生懸命引っ張り続けるおじいさんは、最後には「おおきなかぶ」を抜くことができるのか? 衝撃の結末は、ぜひ絵本でページをめくって確かめてほしい。

 ちなみに、『おおきなかぶ~』というタイトルにも隠れた意味がある。よくみると『おおきなかぶ』ではなく、『おおきなかぶ~』。ガタロー☆マンは、いったい何を考えているのか……。その真意に気づけば、脱力間違いなしである。

文=中川凌 (@ryo_nakagawa_7

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