西浦高校野球部は、全部員が一年生。心身ともに成長していく青春グラフィティ!

2012/9/24

おおきく振りかぶって (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:ひぐちアサ 価格:540円

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甲子園にも野球中継にもまるで興味のなかった私が、野球のルールを知るようになったきっかけの漫画です。

主人公は、ものすごーく気弱な卑屈男子のピッチャー三橋。球が遅くて打たれまくりの三橋は、“経営者の孫”ということで「ヒイキでエース」になってしまうのですが、それでもエースを譲ろうとしませんでした。結果、中学の3年間を部員にいじめられてすごします。

エスカレーターのはずの三星学園から逃げ出すように西浦高校に入学した三橋が入ったのは、新設された、一年生総勢10人の硬式野球部。しかも監督が若い女性。そこでキャッチャーの阿部と出会い、“打たれるピッチャー”だった彼の野球人生はガラリと転換します。実は三橋は球は遅くとも、球種4つを持ち、ストライクゾーンが九分割で投げ分けるという、凄すぎるコントロールの持ち主だったのです! 配球にこだわり、三橋の遅球でも「慣れさせない 配球が できる」という阿部と組めば、三振なんて取りまくりなのです!

しかし阿部は中学時代にバッテリーだった先輩と色々あり、「首を振る投手」が大嫌いになっていて、「オレがお前をホントのエースにしてやる。そのかわりオレの言う通りに投げろよ」と、三橋から首を振る権利を奪ってしまいます。どちらにしろ、三橋は阿部を妄信してしまって首を振る気などないのですが。話が進むごとに変わっていく二人の関係も必見です!

バッテリーのみではなく、チーム全員、他校の選手までもが心身ともに成長していくところが凄く好きです。そして何よりも、現実離れした非常識も奇跡もなく、リアルかつ(野球を知らなかった私には)マニアックに描かれる試合描写! 応援席の声援や蝉の鳴き声まで、本当にその場にいるように思えるくらい背景が細かく描写されています。

1巻では三橋が逃げだした三星学園との試合が始まります。そこではチームメンバーの性格・能力紹介も兼ねてあっという間に試合が終わってしまうのですが、巻数が増すごとに密度が濃くなっていきます。内容がおもしろいのと選手の成長を追いたいのとで、何度も読み直してしまい、そのまま着々と野球の知識が身についてしまいます。


気弱で卑屈な三橋。中学時代のチームからはとても嫌われていたようです

中学の3年間、“ヘボピ”でもマウンドを譲ろうとしなかった三橋。気弱な彼には珍しい、鬼気迫る顔!

「自分の力のなさをよく覚えておけよ」。中学時代のある思い出が、捕手としての彼を歪ませてしまったようです

大切な場面で誰かの手を握り、リラックスしたり励ましたり分かり合ったり。これぞ西浦流!

三橋の手にできた、シュートやスライダーのタコ。緻密なコントロールを身につけるための、努力の結晶です

「こいつのために 何かしてやりたい」「それが 捕手か!」。阿部が初めて捕手としてそう思うシーンです。ここでも手を握っていますね

おもわずガッツポーズをとてしまったり声をかけられるとビクビクしてしまう三橋。今後、どう変化していくのでしょうか?
(C)ひぐちアサ/講談社