「おふろ習慣」を楽しく身につけられる! イヤイヤ期や入浴が苦手な子に、おふろ絵本の新定番

文芸・カルチャー

公開日:2021/10/21

りすのおふろやさん
『りすのおふろやさん』(たなかしん/KADOKAWA)

 あらいぐまやしろくまなど、子どもの大好きな動物たちのふれあいを通して、おふろの楽しさや気持ちよさを教えてくれる、おふろ絵本が登場しました。『りすのおふろやさん』(たなかしん/KADOKAWA)です。

 しっぽにふわふわの泡をつけた小さなりす。ふわふわのしっぽで洗ってくれる、おふろやさんを開店したようです。

 最初のお客さんがやってきました。タオルで顔を隠しているけれど、いったい誰かしら?

 いないいないばあ…のように顔を出したのは、あらいぐまくんでした。あらいぐまくんは、ぴかぴかのきれいずきなのです。

 その後も、ひつじさんやしろくまくんなど、いろいろな動物のお客さんがやってきます。そのたびにしっぽで洗ってあげるりすさん。ふわふわの泡に包まれて、みんな気持ちよさそう。さて、次はどんなお客さんがやってくるのでしょうか。

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おふろは楽しくて気持ちがいいところ

 ふわふわの泡や、りすに洗ってもらう動物たちの気持ちよさそうな顔に、大人までおふろに入りたくなってしまう本書。子どもたちにもおふろの楽しさが伝わるようで、「おふろまで絵本を持っていきました」(1歳11カ月女の子のママ)、「おふろで絵本の真似をして、自分の体をこすって洗って楽しそうでした」(1歳11カ月男の子/5歳2カ月女の子のママ)など喜びの声が届いています。

 まだおふろに入りはじめて間もない子どもに、ふわふわの泡で体を洗うとぴかぴかになって気持ちがいいし、みんなで入るおふろも楽しい! ということを教えてあげられそうですね。

 最後には、タオルで顔を隠した男の子のお客さんもやってきます。3歳5カ月の男の子は本書を読んで、「その男の子が自分なのかと尋ねてきた」のだとか。2歳、3歳と年齢が上がるにつれて、おふろを嫌がる子も出てきますが、気持ちよさそうな動物たちにつられて、自分から進んでおふろに入ってくれるかもしれませんよ。

子どもが喜んで読めるしかけがいっぱい

 絵を描いているのは、海の砂の上に絵を描くという画法が人気のたなかしんさん。「第12回MOE絵本屋さん大賞2019」パパママ賞第3位を受賞した『ねむねむごろん』でも、子どもが夢中になる文章やかわいらしい動物たちの絵が好評でした。

 本書にも子どもが喜ぶしかけがいっぱいです。「わしゃわしゃ」「もふもふ」などリズム良く登場するオノマトペには、「繰り返し読んでと言われます。いいリズム感で動物が増えていくのが楽しいようです」(1歳4カ月女の子のママ)、「『だれかしらー?』と真似しながら自分でページをめくっていました」(2歳8カ月女の子のママ)などの声が。

 タオルの向こう側に隠れた動物たちを当てっこしたり、泡の中に見える“隠し絵”を探したり、遊べる要素も充実しています。「あらいぐまを知らなかったので『これは(何の動物)?』としきりに聞いてきました」(2歳8カ月女の子のママ)など、子どもがまだ知らない動物たちとの出会いにも期待できそう。

おふろ前の読み聞かせを明日からの新習慣に

 お風呂の医学研究者である早坂信哉先生も「楽しくおふろ習慣を身につけられる絵本!入浴前の読み聞かせが効果的です」とイチオシしています。

 1歳頃からイヤイヤ期まで長く活用できそうな、おふろ絵本の新定番。入浴前は本書とともに、「さあさあ おつぎはだれかしら?」とおふろが楽しくなる魔法のフレーズで呼びかけてあげてくださいね。

文=吉田あき

■『りすのおふろやさん』KADOKAWA
https://yomeruba.com/product/ehon/322106000288.html

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