反日デモはなぜ激化する? 現代中国を知り、日中関係を考えるための必読書!

2012/9/28

そうだったのか!中国

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 集英社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:池上彰 価格:648円

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尖閣諸島問題でいきなりキナ臭くなってきた日中関係。激化する反日デモのニュースを聞くにつけ、なんでここまで「反日」なの? と思っていたけれど、この一冊でいろいろ事情が読めてきた。

中国という国家について、第二次世界大戦での抗日戦争から現在までの歴史から明らかにするというアプローチは一般的なものの、第一章『「反日」運動はどうしておきたのか?』というタイムリーさでぐっと引き込まれる。そこから共産党の歴史をひもとき、文化大革命、チベット問題、台湾問題、ソ連との関係など、さまざまな視点から再び歴史を点検していくため、読みすすめるにつれ中国という国の複雑な重層構造と、ある意味の恐ろしさがじわじわ理解できる感じ。視点も客観的で、どんなニュース解説でもいまひとつわかりにくかった「中国」の姿がここまでわかるなんて、ホントに驚きました。さすが池上先生! ニュース解説のマジシャンぶり、お見事です。

ちなみに個人的な話だけれど、私の初めての海外旅行は1980年代末の中国バックパッカー体験だった。上海から蘇州、杭州、桂林、広州と南下、最後は香港へと抜けたが、当時はまだ人民服を着た人も多く、どこも巨大な田舎然とした印象だった。姉との女学生二人旅を珍しがられることはあっても、嫌な思いをすることはなく、むしろ宿を探していただいたり、ご馳走していただいたり…偶然出会った中国の方に沢山お世話になった。考えてみればあの頃は第二次天安門事件の前夜で、現在のような反日教育はまだ実践されていなかったわけだ。ここ数年の反日のすさまじさに個人的にも違和感があったが、それで少し合点がいった。それにしても「教育」というもので、ここまで変わってしまうものなのか。もちろんそれだけではないにせよ、あらためてその重大さに慄然とする。

なお本書の巻末に池上氏が「単行本出版後、この本を持っている学生にあってうれしかった」と書いているが、まさに同感。日中両国の未来のためにも、少しずつ草の根レベルでも、自国の歴史の真実をみつめる、勇気ある中国の若者が増えることを願いたい。もちろん日本人も冷静に中国について知っておくべきだし、その意味でも本書は格好の入門書であり必読書になるだろう。


気になるトピックがわかりやすい目次

本文より。いきなり気になる見出し…

各章にイラストもあって親しみやすい

写真も豊富です

巻末には用語解説&気になるトピックのコラムも。電子書籍だと参照も楽々♪