娘が初めて「ママ」と呼んだのは不倫相手の女でした。夫に裏切られたサレ妻の復讐劇

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更新日:2021/10/25

娘が初めて「ママ」と呼んだのは、夫の不倫相手でした
『娘が初めて「ママ」と呼んだのは、夫の不倫相手でした』(釈氏とおる:著、リナ:その他/KADOKAWA)

 日々、できることがひとつずつ増えていく我が子の成長が愛しくてたまらない。そんな喜びを得られるのは、親であるからこそ。特に、子どもが初めて「ママ」や「パパ」と口にしてくれた日には、こみあげてくるものがある。

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 だが、もし、その大切な「初めて」が他の誰かに奪われていたと知ったら、あなたは芽生えた怒りとどう向き合い、どんなアクションを起こすだろうか。

『娘が初めて「ママ」と呼んだのは、夫の不倫相手でした』(釈氏とおる:著、リナ:その他/KADOKAWA)は、そんな残酷な現実にもし自分が直面したら…と考えさせられる衝撃作。本作には夫の裏切りに絶望しながらも、不倫相手と闘うことを決意したサレ妻の涙と努力が描かれている。

浮気の証拠を発見! 夫の不倫相手はヤバイ女だった…

 主人公のリナは、28歳の専業主婦。ひとつ年上の夫とは、8年の交際を経て結婚。その後、2年間不妊治療に励み、待望の娘を授かることができた。大好きな夫と愛しい娘に囲まれる生活…。リナは順風満帆な日々に幸せを感じていた。

 ところが、ある日、夫のタブレットから偶然、不倫の証拠を発見。娘が初めて「ママ」と呼んだのは自分ではなく、不倫相手だったことを知ってしまった。

娘が初めて「ママ」と呼んだのは、夫の不倫相手でした p.8

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 さらに、不倫相手が娘を抱きながら満面の笑みを浮かべる写真も見つけてしまい、リナは大きなショックを受ける。

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 しかし、リナは強い。単に悲しむのではなく、夫が言い逃れできない証拠を見つけ、闘おうと決意。夫が仕事へ行っている間にタブレットを使い、証拠集めに勤しんだ。

 その結果、2人が事に及ぼうとする現場を押さえることに成功。

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 リナは夫に離婚を切り出し、不倫相手には慰謝料を請求。ところが、相手の女は「払えない」と拒否。それどころか、数日後にリナ夫婦を呼び出し、自信に満ちた様子で身勝手な要求を突きつけ、さらにはリナの夫の子を身ごもっていることを暴露してきた。

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 常軌を逸した言動をとるヤバイ不倫相手と、離婚に応じようとしない夫…。サレ妻リナは、そんな2人とどう戦うのか。彼女が平穏な日々を取り戻せるのかを、ぜひその目で見届けてほしい。

不倫は「あの頃の幸せ」も奪う行為

 本作は読み進めるほど、ゾクっとさせられるコミックエッセイ。どんな手段を使ってもリナの夫を自分のものにしようと企む不倫相手の執念が、心底恐ろしい。

 また、物語が進む中で明らかになる不倫相手の過去やリナに待ち受ける意外な裏切りに仰天。傷つけられ、裏切られたリナが幸せだった過去を回想する描写に心が痛みもする。

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 不倫や浮気は「今」だけでなく、これまで築き上げてきた幸せまでをも奪っていく裏切り行為。自分たち以上に幸せな人なんていないと思えていた交際期間や婚約期間、結婚生活のすべてに自信が持てなくなり、「あの時も裏切られていたのではないか…」と疑いたくなるから苦しい。

 結婚は紙切れ1枚で始めることも、終わらせることもできる契約である。だが、その1枚の紙には自分への信頼や共に人生を歩んでいけることへの喜びが込められていたことを、私たちは忘れてはいけない。

「結婚」という契約の重さを改めて考えさせられる本作。サレ妻だけでなく、幅広い人にぜひ手に取ってほしい。

文=古川諭香

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