夫が「娘の名前」で不倫?! 夫の行動に全国の妻たちが震撼する実録コミックエッセイ

マンガ

更新日:2021/10/27

夫が娘の名前で不倫していました
『夫が娘の名前で不倫していました』(Satsuki:原作、乙葉一華:漫画/KADOKAWA)

 夫のクズっぷりが全国の妻たちを震撼させている実録コミックエッセイがある。その作品とは、『夫が娘の名前で不倫していました』(KADOKAWA)。タイトルからしてすでに衝撃的だが、ますます驚かされるのは、この作品が創作ではなく、Satsukiさんが経験した実話を、乙葉一華さんがマンガ化したものだということだろう。夫のとても許されないゲス不倫。その証拠を自力で掴み取り、協議離婚に向けて走り出した妻……。その奮闘、逆襲にスカッとさせられる一冊なのだ。

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夫が娘の名前で不倫していました

 主人公・さつきは、ごく普通の主婦。彼女の夫は、娘のめいが生まれてからというもの、ゲーム三昧で、育児にも家事にも一切関与しないいわゆる「ダメ夫」だ。課金沼にハマり、小遣いを使い果たし、家の生活費にまで手を出す夫にさつきはずっと悩まされ続けてきた。さらに、彼女は、夫とゲーム仲間の女との不倫チャットを発見してしまう!

ゆーこりん「早くめいに会っていっぱいチュっってしたいな。もう気持ちおさえられそうにない」
めい「俺もおなじ気持ちだからおさえられない……いっぱい……しよっっ」

 夫が不倫に使っているゲームアカウント名は、まさかの娘の名前である「めい」。夫は、不倫相手に自分のことを娘の名前で呼ばせていたのだ。

 すでに鳥肌ものの所業だが、さつきの夫の奇行はそれだけでは終わらない。さつきが不倫に勘づいているような発言をすると、夫は謝るどころか逆ギレ。さらには、浮気相手を我が家に連れ込んだようで、さつきと娘のベッドには情事の痕跡が残されていて……。一体、どういう神経をしているのか。いつの間にか、さつき同様、この夫への強い憤りを感じずにはいられなくなる。

夫が娘の名前で不倫していました

 こんな夫の好き勝手になんてさせていられない。娘の幸せのため、自分の幸せのため、離婚を決意したさつきは、夫を追い詰めるべく動き出していく。まずは、リビングにボイスレコーダーを設置。次に、夫と浮気相手とのチャットを画面収録。さらに、ペアローンで契約したマンションの査定を行い、探偵には不倫相手の素性調査を依頼……。淡々と計画を進めるさつきの姿はなんと勇ましいことだろうか。感情を抑えながら、すべてを事務的に進めようとするその姿に、「もし、自分がさつきと同じ立場に立たされたとしたら、こんなにしっかりと計画を進めていくことができるだろうか」と、彼女に尊敬の念さえ抱いてしまう。

 だが、さつきだって傷ついていないわけではない。冷静に計画を進めながらも、時折見え隠れする深い悲しみに、「どうか、さつきと娘に幸せを! 元夫と不倫相手に天罰を…!」いつの間にかそんなことを思いながら、ページをめくり続けている自分に気づかされる。

夫が娘の名前で不倫していました

夫が娘の名前で不倫していました

夫が娘の名前で不倫していました

 幸せな夫婦関係を築いている人も、2人の関係に悩んでいる人も、歯を食いしばって前進するさつきの奮闘に心揺さぶられるに違いない。そしてもし、さつきと同じように、伴侶に裏切られたとしたら……。その時は、間違いなく、この経験談が参考になることだろう。夫婦円満な関係のまま過ごせるのが一番だが、「いつか」のために、さつきの緻密な計画と葛藤をいつまでも心にとどめておきたい。痛快な逆転劇についついそんなことを思わされる一冊だ。

文=アサトーミナミ

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