令和に、人気ギャグ漫画『ニニンがシノブ伝』が帰ってきた！

　2000年～2006年にコミック雑誌「電撃大王」で連載されていた人気ギャグマンガ『ニニンがシノブ伝』。2004年7月～9月には『鬼滅の刃』「Fate」シリーズなどでおなじみのufotableによってアニメ化もされ、水樹奈々さん、若本規夫さん、川澄綾子さん、釘宮理恵さん、関智一さんなど豪華声優陣が演じるギャグアニメとして話題になった。

　そんな『ニニンがシノブ伝』が、2020年6月よりウェブコミック配信サイト「コミックNewtype」にて新たに『ニニンがシノブ伝ぷらす』（古賀亮一／KADOKAWA）としてスタートし、今またTwitterなどを中心に話題となっている。2021年10月27日にはついに単行本も発売され、「令和版ニニンがシノブ伝」としてますます注目を集めていきそうだ。

　本作品の主人公は、私立忍者学園忍者学部くのいち学科に通うドジでおっちょこちょいな見習い忍者・忍（しのぶ）。忍はお供の鷹だと自称する謎の生物・音速丸（おんそくまる）、忍術学園の男子生徒である忍者たちとともに日々騒動を引き起こし、作中唯一の常識人ともいえる不知火楓（しらぬい かえで）相手に百合展開を巻き起こしてはツッコミを入れられている。作中のあちこちにアニメや漫画に関するオタク的内容が含まれており、そういった意味でも多くのファンを虜にしている。

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　昨年スタートした『ニニンがシノブ伝ぷらす』では、「人工冬眠装置風ベッド」で眠っていた、以前連載されていた2000年～2006年の感覚のままの音速丸が目を覚まし、2020年という「今（連載開始時）」に対応できずにいるところから始まる。

　二つ折り携帯やモニターの分厚いパソコンなど懐かしいアイテムが飛び出し、現代に対応できている楓や忍の妹・雅（みやび）と、対応できずにいる音速丸や忍、忍者たちのわちゃわちゃとした会話が描かれる。日本にスマホが浸透したのは、2008年にソフトバンク経由で「iPhone」が発売されてから。それまでは、いわゆるガラケーが主流だった。な、懐かしい……！

　2話では過去話の振り返りもあり、「そういやこんなシーンあったな」「どんな流れだったっけ」と思わず初代『ニニンがシノブ伝』を読み返したくなる場面も。

　だが、基本設定さえ把握していれば今作からでも十分楽しめるのが本作品。何が何やら分からないけどなんか気になる……という人は、まず「コミックNewtype」にあるキャラクター紹介を見ることをオススメする。また、今ならAmazonプライムビデオで2004年版アニメの視聴もできるので、アニメから入ってみるのもいいかもしれない。

　3話以降も、アニメのお風呂シーンなどでおなじみの“あれ”が登場したり、同人即売会あるあるが描かれたり、某スマホゲームのようなものが登場したりとオタク的なネタが尽きず見ていて飽きない。アニメや漫画、ゲームなどのオタク文化に詳しい人なら、もっといろんなネタを見つけられる――かも！？

　令和版の音速丸も、相変わらず散々な目に遭いながらまったく懲りる様子なく変幻自在に暴走を繰り返す。そしてわけが分からないまま進んでいくのになぜか見てしまう不思議な中毒性も健在で、気づいたらページをめくっている。いったい何が起こっているのか。というか初期音速丸の「鷹」設定はどこへ……！？

　もちろん、可愛い女の子たちの存在も本作品の大きな魅力の1つ。メインヒロインの忍が純粋かつ天然キャラで可愛いのはもちろんだが、常識人でありながら行動の読めない忍、音速丸を含む忍者たちに付き合い、健気にツッコミを入れ続ける楓も思わず応援したくなってくる。楓、忍者ですらない一般人なのに……！

　今後もますます暴走という名の盛り上がりを見せてくれそうな『ニニンがシノブ伝ぷらす』。元々のファンも、「ぷらす」からのファンも、そしてまだシノブ沼にはまっていない人も、この独特な「ニニンがシノブ伝」ワールドへ迷い込んでみてはいかがだろうか。令和版でも、謎の中毒性に困惑しつつ引き込まれること間違いなし！

文＝月乃雫