行き場のない少女・ミミズクと夜の王が織りなす“絶望”の物語…『ミミズクと夜の王』2巻に反響続出!

マンガ

公開日:2021/11/12

ミミズクと夜の王
『ミミズクと夜の王』(原作:紅玉いづき、作画:鈴木ゆう/白泉社)

 現代少女小説の金字塔『ガーデン・ロスト』(メディアワークス文庫)や、コミカライズ版も発売されている『青春離婚』(星海FICTIONS)など、数多くの著作を手掛けている小説家・紅玉いづき氏。そんな紅玉氏の代表作とも言える『ミミズクと夜の王』(電撃文庫)のコミカライズ版・第2巻が、2021年11月5日(金)に発売された。文庫本時代からのファンは、早速ネット上で「読んだら泣いちゃうくらい好きな作品! コミック嬉しいー!」といった歓喜の声を寄せている。

 2007年に発売された『ミミズクと夜の王』の文庫版は、「第13回電撃大賞」にて大賞を受賞した作品。同作は額に“332”と焼印された少女・ミミズクと、人間嫌いの夜の王を中心に進んでいくファンタジーで、物語は夜の王が支配する「魔物が蔓延る森」をミミズクが訪れたことから始まっていく。

 ミミズクはある時、魔物が蔓延る森で夜の王と邂逅。羽が生え、ツノがあるおぞましい姿の夜の王だが、ミミズクは怯むことなく「あたしのこと食べてくれませんかぁ…!?」と話しかける。そんなミミズクを一瞥し、「去れ半人間。私は人間を好まぬ」と吐き捨てる夜の王。しかし、その後2人は徐々に心を交わし始めるのだった――。

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 11月5日に発売された2巻でもミミズクの願いは変わらず、自分を食べてもらうことを望んでいる。しかし夜の王が放つのは、「行け。獣を称する娘」「お前にはもう、ここにいる理由がない」というミミズクを突き放すような言葉で…。

 同書では文庫版で読者の想像に任せるしかなかった夜の王の風貌や、ミミズクのキャラクター、舞台となる夜の森が繊細に表現されている。食べてもらうことを望んでいるミミズクの空虚な瞳や、不自然なまでに細い二の腕、夜の王の美しい佇まいなどが描かれており、その世界観に飲み込まれてしまうこと間違いなしだろう。

 2021年4月5日(月)に発売された第1巻から約半年の期間を経て発売された同書なので、心待ちにしていた人も多かった様子。SNS上には、「絵のタッチが柔らかくて、本当に童話を読んでいる気分になるね」「ミミズクと夜の王は、高校の時に参加した読書会で議題になった本だったのでとてもよく覚えています。こうして漫画として改めて作品に触れることができて嬉しい!」「待望の新刊! 実に良いコミカライズだと思います!」「温かい童話のような雰囲気のなかで繰り広げられる優しい物語。最後の方は涙で読むのが中断されるほど感動しました!」「ミミズクと夜の王、2巻読みながら号泣、号泣! 世界観、好きだなあ…」といった好評の声が相次いでいる。

 死にたがりの少女・ミミズクの崩壊と再生を描いた『ミミズクと夜の王』。原作小説を読了した人をも魅了するコミカライズにて、絶望から始まる物語を見届けてみてはいかがだろうか。

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