子どもへのイライラが成績ダウンの原因に!? 「ぺたほめ(R)」でほめまくって、親子で中学受験を乗り越える!

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公開日:2021/11/16

母親が変わればうまくいく
『母親が変わればうまくいく 第一志望校に合格させた母親がやっている子育て39』(藤田敦子/講談社)

「まだ宿題やってないの!」「いつまでゲームやってるの!」――気がつけば今日もお子さんを怒ってばっかりだったというママはいないだろうか。特に「子どもの成績を上げたい、できれば中学受験もさせたい」という目標があったりすると、笑顔で接したいのはやまやまでも、できていないことばかりに目がいってイライラ…なんてよくある話だ。でもちょっと待って! そのイライラがかえってお子さんの成績ダウンにつながっているとしたらどうだろう!?

「マイナスの言葉は決して子どもの心を動かしません。むしろ、モチベーションを下げまくり、結果的に子どもの足をひっぱります」とは、新著『母親が変わればうまくいく 第一志望校に合格させた母親がやっている子育て39』(講談社)を刊行した藤田敦子さん。いまどきの子育てでは「自己肯定感」をいかに育てるかが大事だとよくいわれるが、藤田さんによれば「怒る」ことではなく「親がとことんほめる」ことこそ、自己肯定感を醸成する最大の行為だという。

 実際に藤田さんは「ぺたほめ」という「〈がんばり〉を見える化して〈ほめる〉」というシンプルな方法を実践してきた。貼るのは絵でもテストでもなんでもいい。とにかく子どもががんばったものを見えるところにぺたっと貼って、それをたくさんほめてきたというのだ。

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 中には「壁に作品を貼るなんてうちもやってるのに…」と疑問を持つ方もいることだろう。実は藤田さんの「ぺたほめ」にはいくつかのルールがある。自己肯定感アップに効果的なのは「何度もほめる」ことであり、そのためには目につくところに貼って見かけるたびにほめる。貼るものは「子どもの自己申告」がベースで、子ども自身が「がんばった」というものの「ほめられもれ」をなくすのがポイント。たとえ親的に評価はイマイチであっても、とにかくほめて認める。時には「女優」になったつもりでほめまくる…。

 詳細は本で確認してほしいが、こうした「ぺたほめ」は「本来、目に見えない『がんばりの見える化』が実現でき、その結果、子どもは何度もほめられることとなり、がんばりを認められることで『やる気』と『自信』が育ちます」と藤田さん。実際、藤田家の息子さんたちはこの「ぺたほめ」で「がんばればなんだってできる」と思うように育ち、母子家庭ながら難関の中高一貫校に合格、その後も努力を重ねて国公立大医学部に現役合格というからすごい。

 このほかに本書では未就学児時代から大学受験直前までの長期にわたる藤田流子育ての極意を紹介しているが、常に「お母さんが100%子どもの味方でいること」「子どもが帰りたい家から成功が生まれる」など、母が子に「寄り添う」ことの大事さを伝えているのが印象的だ。考えてみれば「ぺたほめ」というのも、母の子に対する影響力の大きさを最大限利用したカシコイ方法だ。

 とりわけ受験といったナーバスな時期ほど親子関係には注意したいが、実際に「寄り添う」姿勢を取り戻した親子が中学入試直前のスランプから脱したケースもあるというから見逃せない。受験はまだまだというご家庭でも、ひとまず本書を参考に子どもを「怒る」のではなく「ほめる」ことから始めるのも第一歩。なにより「ほめる」ことは明らかにポジティブなので、ママの気持ちも自然に明るくなってイライラ減少にも役立ちそうだ。

文=荒井理恵

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