痛すぎて笑いを超えて涙する、底辺マンガ家のあるある自虐コミック

漫画家失格

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 双葉社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:市橋俊介 価格:540円

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『人間失格』は文豪・太宰治のあまりにも有名な代表作ですが、本作『漫画家失格』のあとがきには、本作のタイトルが決まったときプレッシャーから「そんな大層な」「看板を背負える訳がない」「正直吐きそうになった」とあります。それこそ玉川上水に入水したくなるくらいに。

ただ、『人間失格』の第一の手記にある「恥の多い生涯を送って来ました。」という誰もが知る一文を思い出したとき、他人のことながらマンガ家としてあまりに恥多い生涯を送って来た(のであろう)作者の自虐的半自伝マンガのタイトルは、『漫画家失格』を題して恥じないものであると思います。それほど、マンガ家としてのダメダメぶりが赤裸々に、笑いを通り越して痛々しく描かれているのが本作なのです。平たくいうと、底辺を自認するマンガ家(年収100万円台、33歳)による「売れないマンガ家あるあるネタ集」であり、やぶれかぶれもいいところの暴露本です。

じつは私、マンガ家を目指していた時期がありまして。また、プロのマンガ家やマンガ家志望の友人・知人が何人かおりまして。そこで本作に興味を持って購入したのですが、いや、本作のネタはマンガに限らず創作を仕事とする人(特にフリーランス)なら飲みの席で笑い話として出たり、じつは密かに経験があったりなど、じつに親近感が沸くものばかりなのです。

例えば。――閑散期(つまり仕事が欲しい時期)にもかかわらず、ついつい夜中まで起きている。本を読んだり、映像を観ていたり、ゲームをしていたり。あげく徹夜。オレなにをしてんだろう、ってところですが、「インプットはクリエイターにとって不可欠だから」と無意味に自分を正当化する、とか。

さらに例えば。――街なかで幸せそうなかつての友人に出会えば、年収格差に悲壮感を覚え、声をかけられても他人のふりをして逃げる、とか。

「あるある」などと共感してしまう自分自身に笑えなくなるエピソードのリアルさ。まるで作者の慟哭が聞こえてきそうです。胸がえぐられ、目をそむけたくなります。

貧乏食についてもさすが知識豊かで、お金をかけずに空腹を満たす(散らす)方法が、実体験を元にいくつも披露されています。そういう意味では実用書的な側面も併せ持っています。

さて、マンガ家やクリエイターのあなた。本作を読んでみる勇気がありますか?


アウトプットに“いつか”繋がるから、インプットも立派に仕事のうちでして

ペヤングはごちそうであり節約食。腹に足りない分は水でカバー

ご無沙汰の友人に声をかけられると、他人の振りをして逃げる。「友人は車を買い家を買い。それに比べて…」なんて話は、ローンのハードルが高いフリーランスの飲み会ではしばしば出る話題で



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