ニュージーランドで日本人女性が車中泊旅! SNSで14万人が共感した完全ノープランの海外車旅

マンガ

公開日:2021/11/19

車のおうちで旅をする (角川書店単行本)

著:
出版社:
KADOKAWA
発売日:
車のおうちで旅をする
『車のおうちで旅をする』(いとうみゆき/KADOKAWA)

 どこか、遠いところへ出かけたい。長引くコロナ禍の中、自宅と職場の往復を繰り返していると、そう思い、無性にここではないどこかが恋しくなることがある。

 そんな歯がゆさを感じている人に、ぜひ楽しんでほしいのが『車のおうちで旅をする』(いとうみゆき/KADOKAWA)。本書は、おうち大好き、少人数大好きの自称・ポジティブな根暗という、イラストレーター・漫画家の作者が経験した、1年間の海外車旅を綴ったイラスト&コミックエッセイ本。帰国後に車旅での生活を語ったSNS上での投稿は話題となった。

「海外車旅」と聞くと、高い語学力や豊富な資金がないと難しそうに思えるかもしれない。だが、作者は英語力ほぼなしの状態。日本で貯めた100万円を資金にし、行き当たりばったりの海外車旅を決行。

「車のおうち」で気張らない生活を送りつつ、島を一周する中で美しい自然や温かい人々と出会い、たくさんの気づきを得た。

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20年前の日本車が「私のおうち」になった!

 作者にとってニュージーランドは、20歳の頃に初めて一人旅をした、初の海外旅行先。その時、知ったのが、バックパッカーの存在や海外で一定期間生活ができる特別なビザ制度「ワーキングホリデービザ」。

 そこで今回は、海外車旅をする前にワーキングホリデービザ(ワーホリビザ)を取得。半年の準備期間を経て、リュック2つでニュージーランドへ旅立った。

 現地に着いて作者がまず行ったのは、車の購入。実はニュージーランドは車がないと行けない場所が多く、大事に使えば買った値段と同じ金額で売ることができるため、ワーホリで来る人が車を買うのは珍しくないことなのだそう。

 作者は日本で車を買ったことがなかったため不安を抱いたが、ワーホリの先輩からアドバイスを貰い、車探しを開始。車中泊仕様の車は個人間で取引するのが一般的であることから、Facebookや「Trade me」というオンラインオークションサイトに頼った。

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 その結果、ゲットできたのは三菱のシャリオグランディス。

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 寡黙な顔をした20年前の日本車に、作者は「グラ子」と命名。相棒兼おうちとなったグラ子でゆったりできるよう、7人乗りの後部座席は取り払い、古棚で作ってもらったキッチン風調理台やベッドを設置した。

車のおうちで旅をする P26

 グラ子は、電波がないキャンプ場でのスタックや崖横のじゃり道でのスリップなどを共に乗り越えた戦友。作者はそうした思い出を振り返り、作中でかけがえのない「我が家」に感謝を伝えている。

“私の足であり、作業室であり、ベッドであり、キッチンでもある私の車のおうち。二十年前に作られたほぼ同い年の相棒。(中略)知らない景色をたくさん教えてくれてありがとう。楽しい時間をありがとう。”(引用/p.113)

 マンションやアパート、一軒家などのいわゆる一般的な「家」とは違った魅力が「車のおうち」にはある。そう知ると、あなたの心にも「車旅」への熱が芽生えるはずだ。

暮らしながら旅をしたからこそ広がった視野

 異国の地で「暮らしながら旅をする」が叶う海外車旅は一般的な旅行とは違い、心ときめくスポットがあれば、寄り道も可能。時間を気にせず、自分の心を思いっきり満たすことに重きを置ける。

 そうした旅の魅力を、作者は本作を通して強く訴えかける。実際に口にしていたごはんや印象に残ったスポットなどを、作者が教えてくれるリアルな車旅生活に触れると、まるで自分も旅しているかのような気持ちになれ、海外車旅にも興味が湧いてくる。

車のおうちで旅をする P72

車のおうちで旅をする P73

車のおうちで旅をする P62

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 海外車旅はただ楽しいだけでなく、現地で日常生活を満喫でき、自国との違いに驚かされたり、学びを得られることも多いよう。例えば、ニュージーランドのスーパーでは、有人レジだと商品を自分でベルトコンベアに載せるのが常識。野菜や果物は量り売りが多く、お店の中には子どものためにフリーフルーツを用意しているところもあるのだとか。

 ところ変われば、常識も変わる。その事実を知ると視野が広がり、社会を見る目が変わるはずだ。

 なお、本作には英語上達までの道のりや日常の中で使っていた英会話、仕事の見つけ方なども描かれており、「英語力に自信はないけれど、いつか海外へ…」と考えている人の背中を押してもくれる。

 勇気を出して一歩踏み出せば、目に映る世界はより美しくなる。そう教えてくれる作者の体験談はあなたの人生を変えるきっかけになるかもしれない。

文=古川諭香

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出版社:
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