これぞ言葉と言葉の真剣勝負!

小説・エッセイ

2012/10/6

リアルのゆくえ

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 講談社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:大塚英志 価格:756円

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ひとつ、お断りしておくとすれば、この本にオチを期待してはいけない。落としどころを探り合うような、ぬるい対談ではなかったよ。

ひとりは、フィギア収集をしていたかと思うと、メディアワークス(現アスキー・メディアワークス)の立役者の一人で、株主だったりした大塚英志氏。そして対するは、超高学歴オタクの東浩紀氏。どちらも強烈な個性の持ち主ですから。1章から、“おたく”と書くか“オタク”と表記するかで意見は割れます。しかも、カタカナ表記は宮崎勤事件の色を消す意図があるが、ひらがな表記はそれらも含めて背負い込む覚悟がある! という展開になるものだから、まるでよく練られたマイクパフォーマンスを聞いている気分が味わえる。

実際、もめたんだろうと思う。真剣勝負だったに違いない。1章に収録されている対談は2001年のもので、終章は2008年のもの。もちろん、その間ずっと対談を続けていたわけではないが、それでも1冊にするのに7年かかったんですから。2007年の収録になると、もう「人格攻撃だ!」とか「いや、話の接点を探っているのだ!」とか、そんな応酬があったりして、「この対談、どこに行っちゃうの?」とはらはらさせられますよ。

物語ではないので、あとがきのことまで触れようと思う。対談を終えたあとの、東浩紀氏から大塚英志氏への返信は掲載されている。でも、諸事情により、肝心の大塚英志氏のあとがきは載っていない。大塚英志氏の執拗な質問を、ひたすら冷めた態度で受け流していたように読める東浩紀氏の応答が載っていて、大塚英志氏のものが本人都合により載っていないということからも、生身の人間が真剣にぶつかり合っていた。いや、ぶつかり続けているんだろうなと思うとぞくっとするね。


後半、大塚氏が苛立ちを隠せない原因はこの東氏の根幹にあるあきらめみたいなものに由来するのかな

「世界観」という言葉ひとつとっても、認識の違いはとても大きい

村上春樹について語った場面ですが…

そうですか。村上春樹もサンプリングで物語を作ってるんですねぇ