万能調味料「かえし」でプロの味!人気急上昇中の料理系YouTuber「深夜の肉バル」初のレシピ集!

暮らし

公開日:2021/12/10

肉まみれの夜ふかし飯
『肉まみれの夜ふかし飯』(深夜の肉バル/KADOKAWA)

 おいしい料理を最低限の手間、時間で作りたい。多くの人が思っていることだろう。ただ空腹を満たせればいいというわけではないけれど、毎日手間暇かけて料理をできるほど時間はない。パパっと使えてすぐに味が決まる、魔法のような調味料があればいいのに……。

『肉まみれの夜ふかし飯』(深夜の肉バル/KADOKAWA)は、そんなワガママを叶えてくれる万能調味料「かえし」を使った料理を紹介している本。著者・深夜の肉バルさんは、肉料理を専門に扱っている今話題の料理系YouTuberだ。彼の祖父母はお蕎麦屋さんを営んでおり、本書に登場する「かえし」は蕎麦を作る際に使われる「秘伝のタレ」なのだという。そして、著者が幼いころから慣れ親しんできた家庭の味でもある。

「かえし」の材料は、醤油、みりん、砂糖の3つのみ。これでさまざまな料理がプロの味に仕上がるのなら、ぜひとも普段使いの調味料として取り入れたい。そこで、さっそく「かえし」を作って、それを使って本書の料理を作ってみた。

advertisement

「かえし」(P.8~P.9)

肉まみれの夜ふかし飯

 まずは、すべての料理の基本となる「かえし」。本書では醤油1000㏄、みりん180㏄、砂糖(甜菜糖)180gが推奨されているが、最初なので半分の量で作ってみようと思う。作り方は簡単で、まず鍋にみりんを煮立たせ、アルコールが飛んだら砂糖を入れ、透明になるまで混ぜたら醤油を加えて弱火で10分加熱するだけ。舐めてみると、みりんのうまみと甜菜糖のカドのない甘さ、醤油のコクが凝縮された深い味わいがふわっと広がる。ツヤツヤしていて見た目も美しい!

「よだれ鶏」(P.12~P.13)

肉まみれの夜ふかし飯

 基本の「かえし」が完成したら、さっそくそれを使って料理を作っていく。まずは「よだれ鶏」から。耐熱ボウルに皮を剥いでフォークで穴をあけた鶏むね肉を入れ、砂糖、塩、酒を加えてよく揉みこむ。長ネギの青い部分とともに200Wの電子レンジで10分加熱する。食べやすく切ってお皿に盛りつけ、長ネギの白い部分のみじん切り、酢、にんにく、生姜、ラー油、白いりごま、かえし、鶏のゆで汁を混ぜたものをかけて完成!

 200Wの電子レンジでゆっくり加熱することで、レンチン調理とは思えないほどしっとり柔らか。味もにんにくや生姜、酢でパンチがありつつ、その奥に完成されたバランスの良いコクを感じることができる。「かえし」を作る段階でみりんも煮切ってあるため、鍋を一切使わずにできて後片付けがラクなのも嬉しい。

「親子丼」(P.58~P.59)

肉まみれの夜ふかし飯

 2品目は「親子丼」。まずはボウルに卵を溶き、刻んだ三つ葉を入れて混ぜ合わせておく。フライパンに切った玉ねぎと鶏もも肉、水、顆粒だし、かえしを入れて火にかけて煮立たせ、溶き卵を「の」の字を書くように回し入れて半熟になるまで加熱する。あとはご飯をよそった丼に盛りつければ完成。

 醤油、みりん、砂糖がすでに「かえし」に含まれているため、使う調味料は「かえし」と顆粒だしのみ。これでお店で出てくるような本格的な親子丼が安定して作れるとなれば、親子丼の頻度が爆上がりしそうだ。また「かえし」とは関係ないが、卵に三つ葉を混ぜ込むことで、卵がふわとろになるタイミングと三つ葉にほどよく火が通るタイミングが重なって作りやすい。これも引き続き真似していきたいと思う。

「ガーリックバターチキン」(P.94~P.95)

肉まみれの夜ふかし飯

 最後は「ガーリックバターチキン」。鶏もも肉に包丁で縦の筋を入れ、かえし、オイスターソース、酒、にんにくチューブとともにボウルに入れてよく揉みこむ。オーブンを200度に予熱し、皮を上にして天板にのせ、オリーブオイルを塗って10分焼けば完成。あとはお皿に盛りつけてバターをのせる。

 オーブンで焼いているため簡単&綺麗に仕上がり、ジューシーなのに無駄な脂っぽさもない。「かえし」の整った味わいにさらにオイスターソースで強いうまみをプラスすることで、長時間漬け込まなくてもしっかり味に。後のせするバターの風味も絶妙だ。家族に「クリスマスのローストチキンもこれでいいんじゃない?」と絶賛された。

 今回は、お財布に優しく使用頻度の高い鶏肉のレシピを和・洋・中1つずつ選んで作ってみたが、どれも同じ調味料をもとに作ったとは思えない、代用品ではない本格味に仕上がっていた。「かえし」にしておくことで安定してプロの味を楽しめるだけでなく、みりんを煮立たせる手間なく良いところを活かせて思った以上に助けになった。

 この『肉まみれの夜ふかし飯』には、YouTubeで公開されているレシピに加え未公開のレシピも26品収録されている。いつもの料理を手軽においしくしたい人は、ぜひ本書でこの「かえし」の魅力を体感してほしい。

調理、文=月乃雫

あわせて読みたい