アイドルオタク女子が推しを守るためにイケメン上司と偽装恋愛! 胸キュン必至の韓国ドラマ『彼女の私生活』

エンタメ

公開日:2021/12/30

彼女の私生活
(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

 以前に比べると、オタク趣味というのはとても一般的なものになったように思う。漫画やアニメを好きなことは決して恥ずかしいこととしては扱われないどころか、少年誌の作品が老若男女問わず幅広い層にウケて社会現象になることもある。

 とは言っても、オタクの中でもその熱量は人によって違い、ぬるオタやガチオタなどといった表現もされる。今回紹介する韓国ドラマ『彼女の私生活』に登場する主人公、ソン・ドクミ(パク・ミニョン)はかなりの強火なオタクである。

 ドクミは、チェウム美術館の主席学芸員として熱心に仕事をするかたわら、アイドルのチャ・シアンの熱烈な追っかけで、「シナギル」という名でファンカフェを運営している。シアンの出待ちには三脚と本格的な撮影セットをかついで向かい、撮った写真は即座に家で編集をし、サイトにアップ。その高いクオリティの写真はもちろん、今までのグループ活動への貢献などからほかのファンからも一目置かれる存在である。

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 そんな彼女は、職場では一切オタクであることをバラしていない。理由は美術館の館長がアイドル嫌いで、面接のときについアイドルはよくわからないと嘘をついてしまったからだ。彼女はオタクではない人を「マグル(※ハリー・ポッターの用語で人間という意味)」と呼び、自分もマグルであるように擬態することが日常となってしまった。

 そんな彼女の前に、唐突に現れたのがライアン・ゴールド(キム・ジェウク)だ。韓国人ではあるが、幼いころに養子に出され、アメリカで育った。ニューヨークでは大きな注目を浴びるアーティストとして活躍していたが、ある日「とある絵」を見たことで、彼は絵を一切描けなくなってしまった。

 ライアンは、チェウム美術館の新任館長として就任する。そして、彼が描けなくなった原因である絵について調べるため、その画家の絵をもつシアンにコンタクトをとる計画を立てるのだった。

 オタクであることを隠しながらも、仕事でシアンと接点をもったドクミは有頂天に。しかし、とある出来事からシアンの家の前を張っていたファンに関係を誤解され、顔も名前もネットで公表されてしまう。ファンからの過激なバッシングや集団暴力をおさめる目的で、ライアンは自分と付き合っているフリをするのはどうか、と提案するのだった。

彼女の私生活
(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

 ひょんなことから始まる、ライアンとドクミの嘘のカップル生活。最初はクールな印象だったライアンも、ずっと一緒に行動していくうちに、とてもやさしい心の持ち主だと気づくドクミ。そして、誠実で何事にも一生懸命なドクミに次第に惹かれていくライアン。ふたりの両片思いのような関係性は胸キュン必至だ。

『コーヒープリンス1号店』でブレイクしたキム・ジェウクの、当時の若々しさからは想像がつかない、渋い大人の色気がたまらない。また、最近では『キム秘書はいったい、なぜ?』などの話題作でも主演をつとめたパク・ミニョンも、推しのこととなると途端に表情豊かになるコミカルな演技に、彼女の新たな魅力を知れたような気がした。

彼女の私生活
(C)STUDIO DRAGON CORPORATION

 オタクと一口にいっても、韓国のアイドルオタクの実情は、日本とは少し違うかもしれない。「ファンカフェ」や、そのサイトを運営する「ホームマスター」など、韓国独自のオタク事情が知れるのも面白い。恋も趣味も仕事も全力で向き合うドクミに元気をもらえる作品だ。

文=園田もなか

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