15分以内でできるレシピも! 薬膳×煮込み料理で体の芯からぽっかぽか!【作ってみた】

食・料理

公開日:2021/12/30

体にいい煮込みおかず
『体にいい煮込みおかず』(齋藤菜々子/ワン・パブリッシング)

 寒い日やほっとしたい時、ふと食べたくなる「煮込み料理」。でも、名前のとおり煮込む時間が必要となるため、「時間がかかる」「めんどくさい」と思ってしまう人が多いのも現実だ。しかし本当は、余裕のない時ほど温まる料理で心身ともにほぐしたい。

『体にいい煮込みおかず』(齋藤菜々子/ワン・パブリッシング)は、そんな煮込み料理へのハードルをグッと下げてくれるレシピ本。本書では、煮込み料理が「平日ささっと煮込み」と「休日ことこと煮込み」に分けて紹介されており、その時その時の状況に合わせて選ぶことができる。「平日ささっと煮込み」はどれも15分以内で、フライパンで手間なくできるというから驚きだ。一見、とてもそんな短時間で作ったとは思えない料理が並んでいる。

 さらに掲載されているレシピは、国際中医薬膳師の資格を持つ著者が考案した薬膳料理でもある。薬膳というと専門的な食材を使用する難しい料理を思い浮かべがちだが、使用されているのはどれも身近な食材ばかり。

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体にいい煮込みおかず

体にいい煮込みおかず

 また、薬膳についての基礎知識も分かりやすく説明されているため、まったくの初心者でも体調に合った料理を選びやすく、入門書としても活用できるのが嬉しい。何かと体に不調を抱えやすい、体調が気になる今の時期にもピッタリだ。そこで、早速筆者も冬に食べたい料理を2品ほど作ってみた。

「豚こま団子ときのこのチーズクリーム煮」(P.14~P.15)

体にいい煮込みおかず

 1品目は、「乾燥が気になる季節に入ったら、エリンギと乳製品を合わせたメニューを」と紹介されていた「豚こま団子ときのこのチーズクリーム煮」。エリンギは、乾燥した外気から体を守りたい時、「潤い補給」がしたい時におすすめの食材。また、チーズや牛乳も乾燥対策に効果的だそう。

 作り方は、片栗粉をまぶして丸めた豚こま肉をフライパンで焼き、エリンギとしめじを加えてしんなりするまで炒める。あとは牛乳、醤油、塩を加えて弱火で6分煮込み、水溶き片栗粉でとろみをつけてチーズを加えれば完成。

 片栗粉でとろみをつけることで、ホワイトソースを作る手間なくシチューのようなとろりとした舌ざわりに。チーズのコクも加わって、どこかチーズフォンデュのようなミルキーさも感じさせる。豚こま肉も塊にすることで食べごたえが格段にアップし、こんな短時間で作ったとは思えないクオリティに仕上がっていた。

「ツナと長いものしょうが煮」(P.36)

体にいい煮込みおかず

 2品目は、「寒い季節はしょうがを使った煮もので体を温めて免疫力をキープ」と紹介されていた「ツナと長いものしょうが煮」。しょうがには発汗作用があり、「温める」「免疫力アップ」と今食べたい効果が複数揃っている。

 作り方は、油をひいた鍋で切った長いもと玉ねぎを炒め、火が通ったらツナ、千切りにしたしょうが、水、醤油、酒、みりん、砂糖を加える。煮立ったら、弱火にして12~13分ほど煮込めば完成。

 ほくほくとした長いもと程よく煮込まれた玉ねぎとしょうがが絡み、短時間でもしっかりとした味に。ご飯に合うのはもちろん、ホットサンドの具にするなどパンとの相性も良さそう。また、ツナ缶は冷めても油が固まらないため、作り置きとして重宝するのも嬉しい。

 どちらも味も見た目もまったく手抜き感がなく、本当に短時間で完成した。家族からも「これ好き!」「時間かかりそうに見えるのに早い!」と大好評! これだけお手軽に、しかも健康にも配慮した煮込みおかずが完成するのなら、普段の食事に取り入れない手はない。この『体にいい煮込みおかず』には、ほかにも様々な体調の変化に寄り添ってくれる魅力的な料理が多数掲載されている。この冬は、あったか煮込みおかずの頻度が増えそうだ。

調理、文=月乃雫

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