気楽に働いて自由な時間も増やせる!「FIRE」より難易度の低い「ゆるFIRE」という生き方

暮らし

公開日:2022/2/21

ゆるFIRE 億万長者になりたいわけじゃない私たちの投資生活
『ゆるFIRE 億万長者になりたいわけじゃない私たちの投資生活』(アラサーdeリタイア管理人 ちー/かんき出版)

 昨今、ビジネスパーソンの間で「FIRE」に注目が集まっている。FIREとは、「Financial Independence,Retire Early」の頭文字で、資産運用に基づいた経済的自立と早期リタイアを意味する言葉。確かにそんな生活には誰もが憧れるだろう。だが、実際、FIREを目指す道はかなり険しい。「億万長者になりたいわけではないし、仕事がしたくないわけではない。ただ、今よりもうちょっとゆとりをもって働きたいだけ……」。そんな思いを抱えている人は実は多いのではないだろうか。

 そんな人に知ってほしいのが、『ゆるFIRE 億万長者になりたいわけじゃない私たちの投資生活』(アラサーdeリタイア管理人 ちー/かんき出版)で紹介されている「ゆるFIRE」という生き方だ。「ゆるFIRE」とは、生活費の一部を好きな労働でまかない、残りを資産運用収入でまかなうというライフスタイル。「今より気楽に働いて、自由な時間も増やしたい」という願いを叶えるのに合った手段なのだ。著者のちーさんは、30代前半で3000万円の資産を作り、現在「ゆるFIRE」を実践中という人物。元々、ちーさんは年収300万円の事務職OL、12時間労働の社畜人間だったというから驚きだ。投資の才能があったわけでも、何かひと山当てたわけでもない。そんな彼女は一体どうやって「ゆるFIRE」を実現したのか。この本では、3つのタイプ別にお金の貯め方から具体的な投資まで「ゆるFIRE」を目指すための方法を教えてくれる。


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必要なのは人よりちょっと多い努力だけ

「ゆるFIRE」を目指すためには、極端な節約生活やリスクの高い資産運用は不要。「人よりちょっと多く努力するだけ」だとちーさんは言う。完全なFIREは、FIRE後の生活費のすべてを運用資産でまかなうため、給与の70~80%を投資につぎ込むこと必要があり、かなりハードルが高い。だが、「ゆるFIRE」で目指すのは貯蓄率50%。一人暮らしの生活費の平均額は約18万円、そして、現在の平均年収は433万円だから、手取りでは330万円程度。平均値よりちょっと頑張って手取り360万円を稼ぎ、平均値よりちょっと節約して年間生活費を180万円にすれば、貯蓄率50%は確保できるとのこと。努力は必要だが、完全なFIREに比べれば、難易度は格段に低いことが分かるだろう。

ではいくらあれば「ゆるFIRE」できる?

「ゆるFIRE」では、年間生活費の20倍の資産を作って、そこから得られる資産収入と労働収入のハイブリッドで生活していく。資産から取り崩す額を投資元本の2.5%以内におさえることで(2.5%ルール)、セミリタイア後も資産を減らさずに暮らしていくのだ。では、実際に「ゆるFIRE」するために、最初に必要となる資産額はいくらなのか。まずは年間の生活費を割り出し、セミリタイア後にどのくらい稼げるかを考えてみる必要があるという。例えば、年間生活費が200万円で、「ゆるFIRE」後は年収133万円(手取りで約100万円)を稼げる場合は、生活費のうち100万円を資産でまかなうため、「100万円÷2.5%=4000万円」が「ゆるFIRE」スタート時に必要となる。まずは必要なお金を割り出し、「稼ぐ(本業×副業)」「貯める(ミニマムライフ)」「増やす(投資)」をコツコツとこなし、準備資金を作り上げていくのだ。

 実際にどうやって稼ぎ、お金を貯め、増やしていくのか。その方法はぜひとも本書を読んでほしい。やるべきことは無数にある。だけど、「無理せず楽しく資産を大きくしていく」というちーさんの教えに触れているうち、コツコツ努力を続ければ、今より気楽に働いて、自由な時間も増やす「ゆるFIRE」という生き方は、誰にとっても実現は可能ではないかと思うだろう。「FIREには憧れるけど、夢のまた夢……」そう思っている人は必読。本書にならって「ゆるFIRE」を目指してみてはいかがだろうか。

文=アサトーミナミ

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