早くも続編に期待の声! 『このミス』大賞受賞作『特許やぶりの女王』に読書メーターユーザーも興奮!

文芸・カルチャー

更新日:2022/3/22

特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来
『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』(南原詠/宝島社)

 第20回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞し、発売されるやいなや各書店で売上1位を獲得。わずか2週間で重版が決定し、累計5万部を突破した『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』(南原詠/宝島社)の勢いが止まらない! 「弁理士」というなじみの薄い職業を扱いながらも、リーガルミステリーとして、お仕事小説として、企業・経済小説として、さまざまな角度から楽しめるエンターテインメント性の高い作品に仕上がっている。

 主人公の大鳳未来は、知的財産に関する専門家である弁理士。かつては特許権を盾に企業から巨額の賠償金をせしめる、悪名高きパテント・トロールだったが、現在は特許権侵害を警告された企業を守るために戦う女性だ。そんな彼女のもとに、ある依頼が舞い込んだ。クライアントは、映像技術の特許権侵害を警告され、活動停止を迫られる人気VTuber・天ノ川トリィのプロダクション。彼女の才能を守るため、未来は大胆不敵な作戦に打って出る!

 「特許権」と聞くと門外漢には難しそうに思えるが、専門用語をわかりやすくかみ砕いて表現しているため、サクサク軽快な読み心地。常識破りで強気な主人公・未来のキャラクターも痛快だ。読書メーターにも反響が続々と集まっているので、その一部を紹介しよう。

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でぃましゅきー
頭をフル回転させてギリギリの状況を切り抜けるスリリングさが楽しい。基本は特許を扱うリーガルサスペンスだが、主人公は場外乱闘上等で、突破力が爽快。Vtuberという最新技術が事件の中心だが、やりとりは泥臭くアナログだったりするのも面白い。キャラクターも出揃ってきたので、続編も期待か。

スティンキー
エンタメミステリーとして面白いのはもちろん、VTuberとか、特許権についても知識が得られる、なんだかお得な小説。このミス大賞は伊達じゃないですね。

よいおいこらしょ
バーチャルユーチューバーの特許争いを読める小説はこの本だけ! 特許を争う「半沢直樹」の部分と、Vtuberのエンタメ的な部分をかけ合わせたライトでもありながら読み応えのあるところが魅力。最後に「このミス」の選評が読めるのが、心憎い気配りになっている。表紙も強い、内容も強い。

ヒロ
読み終わって、とにかくカッコいいと思いました。颯爽と登場し、依頼人の要求を達成するために縦横無尽に動き回ると。最後の解決に至る場面はホントに鳥肌が立つほどでした。また続編が作られるなら絶対に読みたいです。後はこの作品を読んでVTuberにもかなり興味が湧きました。早速観てみよう!!

Celina
内容的に難しいかなと案じていましたが、むしろサラッと読めて面白かったです。なんといっても主人公を初めから一気に好きになりました。あまり馴染みのない特許の話だけど、分かりやすくて興味がわきました。去年のこのミスとすこしかぶるのかなと最初は思いましたが、ぜんぜん違う!シリーズ化してほしいなぁ弁理士。

ハルナ
映像技術に関する特許権侵害の警告により、活動休止に追い込まれている人気VTuberを守るため凄腕弁理士・未来と侵害を主張する企業との攻防を描いたリーガルミステリー。「特許」というあまり馴染みがないテーマだが、分かりやすく書かれていてさらっと読みやすいという印象でした。未来の弁理士としてのプロ意識、トリィのVTuberとしての信念を感じました。不利な状況からの巻き返しが最高です。

フラチキさんです
なんだか新鮮な読書体験でした。変わった職業の“弁理士”という特許のスペシャリストである強気な主人公が良き。読んでて不快にならない丁度良い強気加減なんですよね。それに“Vtuber”という小説において珍しい要素が加わり、非常に読んでて楽しいんです。特許という専門的ワードが飛び交うお話ながらも、癖の強いキャラ同士の会話で説明してくれるためスルッと脳内に入ってきました。ラストも痛快で良い読後感だなぁと思いました。面白かったです!

 特許権をめぐる企業間のスリリングな駆け引き、弁理士という職業への興味、未来の強気なキャラクターに魅了され、続編を望む声も多数! 未来とともに特許法律事務所を立ち上げた女性弁護士・姚愁林をはじめ、まだまだ気になるキャラクターもいるため、次回作に期待せずにいられない。デビュー作ながら、シリーズ化やドラマ化など今後の展開が大きく広がりそうな大物の風格漂う一冊だ。

文=野本由起

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