山中伸弥先生が平易に語る、研究人生とiPS細胞

2012/10/30

山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 講談社
ジャンル: 購入元:BookLive!
著者名:山中伸弥 価格:1,080円

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「iPS細胞って何?」、「文系だからこの手の内容はよく分からなくって」という方にお勧めなのが、この1冊『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』です。「読みやすい語り口で、中学生から読める」という宣伝文句につられてダウンロードしたものの、本当は難しい説明もあるのでは、と超文系人間の私は“警戒”しつつ読み始めましたが、非常に読みやすい本で、誰でもiPS細胞のことが理解できるように書かれています。

第1部「iPS細胞ができるまで」と「iPS細胞にできること」では、山中先生がこの研究に関わるようになっていったいきさつとその研究内容が、平易な言葉で語られます。これを読むと、iPS細胞についての理解が深まるだけでなく、当初、臨床医を目指していた山中先生が、若き日々に挫折しながらもくじけずに、持ち前の好奇心と探究心で、いかに研究の道へ進んでいったのかがわかります。「人間万事塞翁が馬」という言葉は、山中先生の好きな言葉のひとつだそうですが、先生の人生は、まさにその言葉通り。研究の意義を理解してもらえず、実験用の200匹ものマウスの世話に追われていたという不遇の時代もあったというから、驚きです。

第2部は山中先生へのインタビューという形式をとり、iPS細胞についてさらに突っ込んだ内容が語られています。また、「オープンラボへのこだわり」、「研究者だけでは研究できない」など、研究を進めていく上での山中先生の思いも語られ、大変興味深いです。私が特に関心を持ったのは、「一日の過ごし方」。電車通勤の山中先生は、通勤時間に英語を勉強したりと、ちょっとした時間も有効に使っているんですね。

本書はiPS細胞について知りたい方はもちろんのこと、少し仕事にいきづまっている方、また、将来への夢が描けないという若い世代の方々にもお勧めです。先生の不屈の精神と夢を追い続ける姿に、勇気が沸いてきますよ。


目次を見ると、「ジャマナカ」というタイトルが。あのおなじみの「ジャマナカ」です

「研究は多くの人がタスキをつなぐ駅伝のようなもの」と語る山中先生。本書では、随所でそのタスキをつなぐ研究メンバーへの感謝の気持ちが綴られています