スープジャーでオートミールがおいしく大変身! 毎日の食事に取り入れたい、美容と健康のレシピ集

食・料理

公開日:2022/3/11

オートミールでスープジャー弁当
『オートミールでスープジャー弁当』(牛尾理恵/ワン・パブリッシング)

 忙しい日々が続くと、どうしても食生活が乱れてしまいがち。でもそんな時こそほっとできるスープがあったら嬉しい……。それを短時間で叶えてくれるスープジャーは、今や便利なお弁当アイテムとしてすっかり定着した。そしてここ数年、栄養満点のダイエット食品としてオートミールの人気が急上昇している。『オートミールでスープジャー弁当』(牛尾理恵/ワン・パブリッシング)は、この2つを掛け合わせた、オートミールを使ったスープジャー弁当を提案しているレシピ本だ。

 オートミールはイネ科のオーツ麦を加工したもので、白米に比べて糖質が控えめで栄養価が高く、腸内環境を整えてくれる「発酵性食物繊維」も含んでいるダイエッターの強い味方。これをほかの野菜や肉、魚などと組み合わせ、「雑炊」や「ポタージュ」、「おかゆ」として毎日の食事に取り入れることで、無理なく自然に健康や美容に配慮した食生活が送れるというわけだ。

 しかしオートミールというと、どうしても食べづらいという印象がある人も多いはず。筆者も元来のオーソドックスな食べ方は苦手で、それ故に長年「オートミール=まずい」と思ってきた。そこで、本当に毎日食べたいくらいにおいしいのか、実際に作って食べてみた。

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「サムゲタン雑炊」(P.12~P.13)

オートミールでスープジャー弁当

 1品目は、「サムゲタン雑炊」。鍋に水と鶏がらスープの素、千切りの生姜とにんにく、長ねぎ、手でほぐしたサラダチキン、クコの実、砕いたむき栗を入れて煮立たせ、塩を加えて味を調える。あとはスープジャーにオートミールと完成したスープを入れれば完成だ。

オートミールでスープジャー弁当

 サラダチキンやむき栗を使うことで面倒な手間が一切なく、手が込んでいるように見せかけて10分ほどで完成した。生姜やにんにく、長ねぎをまとめて切って冷凍しておけば更なる時短も可能。鶏の出汁と薬味類の濃厚なコクが前にくるため、オートミールのクセはまったく感じない。変な後味もなく、オートミールってこんなに簡単にクセが消えるのかと驚いた。

「シーフードミックスとズッキーニのトマトリゾット」(P.56~P.57)

オートミールでスープジャー弁当

 2品目は、「シーフードミックスとズッキーニのトマトリゾット」。鍋にオリーブオイルを熱して、いちょう切りにしたズッキーニを炒め、しんなりしたらシーフードミックス、トマトジュースを加えて温めて塩コショウで味を調える。あとはスープジャーにオートミールを入れてスープを注ぎ、粉チーズを入れれば完成。

 味つけは塩コショウのみと非常にシンプルだが、シーフードミックスからふんだんに出汁が出るためしっかりと完成された味に。粉チーズの強いうまみ成分も、スッキリめのスープに深みを与えてくれる。こちらもトマトの酸味と甘み、そこに溶けだしたシーフードの出汁が、オートミールの食べづらさをおいしさへと昇華させてくれる。

「オートミールクッキー」(P.109)

オートミールでスープジャー弁当

 最後はスープジャー弁当ではないが、本書内で紹介されていて気になって作った「オートミールクッキー」。ボウルにオートミールと卵、ココナッツオイル、蜂蜜、アーモンドプードル、シナモンパウダーを入れて混ぜ合わせ、平たい円形にしてオーブンシートを敷いた天板に並べる。あとは170度に予熱したオーブンで20分ほど焼けば完成。

 オートミールのざくざくとした食感とココナッツオイル、蜂蜜のほのかな甘みとしっとり感、シナモンの香りが絶妙で、飽きの来ない味わい……なのだが、驚くほど満腹感が得られるうえ腹持ちがよく、1~2個食べると満足している自分に気づく。これを日々鞄に忍ばせておけば、無駄なお菓子を買うことも少なくなりそうだ。

 3品とも食べづらさは一切なく、筆者のオートミールへの苦手意識を完全に払拭してくれた。作り始める前は「オートミールが余ったらどうしよう」なんて考えていたが、むしろ足りずに買い足す結果となった。

 ほかにも「鮭とわかめのわさび雑炊」や「たらとたらこの雑炊」など和風味も多数紹介されており、そちらも気になるところだ。本書でオートミールをおいしく調理するコツを覚えたらオリジナル料理を作るのも楽しそう。今後しばらく、1日1食のオートミール生活を続けてみようと思う。

調理・文=月乃雫

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