文化祭エピソード開幕！ アニメ3期放送前にウルトラロマンティックな見どころを紹介『かぐや様は告らせたい』

※この記事は作品の内容を含みます。ご注意の上お読みください。

　シリーズ累計発行部数1700万部（2022年2月時点）のメガヒットコミック『かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～』（赤坂アカ/集英社）。そのTVアニメ第3期が2022年4月より、いよいよ放送となる。そのタイトルは『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』だ。タイトルから“～天才たちの恋愛頭脳戦～”が消え、“ウルトラロマンティック”が上書きされている。2021年秋に制作とこのタイトルが発表されたとき、かぐやファンはもちろん、出演者たちも衝撃を受けたと報じられている。

　なおこのタイトルから分かることは、第3期は原作コミック12巻から14巻にあたる、秀知院高等部の文化祭にまつわる一連のストーリーが描かれるということ。白銀とかぐやの決意、石上の気合、そして“ウルトラロマンティック”なラスト……物語が大きな山場を迎えるのだ。

　本稿は『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』の原作エピソードの見どころを紹介し、アニメのみを観てきた方には予習に、原作を読んでいる方には復習となるが、ストーリーの内容を含むのでご注意の上お読みいただきたい。

“告らせたい”じゃなくて“告る”？ 恋愛頭脳戦の局面が大きく動く「奉心祭」

　秀知院高等部文化祭「奉心祭」の準備が進んでいるなか、白銀は「文化祭期間中に四宮から告られなかったら、俺から告る」と決意していた。なぜなら彼には急がなければいけない理由があったからだ。

　一方かぐやは、文化祭の名称にもなった“奉心伝説”を知る。それは愛する相手を救うために、自分の心臓を奉げたというものだ。それが転じて「奉心祭」で心臓を意味するハートの贈り物をすることが告白を意味し、さらにその恋は成就すると言われていた。「ロマンティックーぅ！！」と気持ちがたかぶるかぐや！ ついに彼女は今まで認めてこなかった「白銀御行が好き」という自分の気持ちに正直になり、ハートを渡して告白することを決断するのだった。

　秀知院学園内では知らない者の方が少ない、この“奉心伝説”が、白銀とかぐやの恋愛頭脳戦に大きく影響し、「文化祭と二つの告白」編のポイントになるので要チェックだ。なお、ここまではまだ「奉心祭」は始まっていない。物語は文化祭の準備時期を経て、怒涛の「文化祭と二つの告白」編に突入していく。

“裏主人公”石上もついに動く！ウルトラロマンティックなクライマックスを見逃すな

「文化祭と二つの告白」編で、もう一人フィーチャーされるのが作中で“裏主人公”に設定されている石上である。

　彼は普段は、キラキラした陽キャに裏で怒りをぶつける陰キャであった。そのスタンスは中等部時代に石上が関わった、ある“事件”がきっかけとなっており、体育祭エピソード（原作9巻/アニメ2期）でそれが明かされた。

　石上は体育祭時に優しくしてくれた3年生の子安つばめに、憧れ以上の感情を抱くようになり「奉心祭」で、彼女へのアプローチを開始する……！

　コメディタッチの生徒会での日常ではあまり描かれてこなかったが、石上は学校生活に何も期待せず、周囲を信用せずに生きていた。そんな彼が人を好きになり、その人に認められようと自分を高めるために努力するように。本作の見どころは、白銀とかぐやの恋愛頭脳戦と、石上の成長なのだ。

　なお「奉心祭」のキーアイテムであるハートは、石上の行動にも大きな意味をもたせる。結果として彼の周囲に大きな波紋を呼び、生徒会内の関係に変化をもたらす。「文化祭と二つの告白」編は石上にとってターニングポイントになるのだ。とにもかくにも、さまざまな思いが交錯する「奉心祭」が始まる。

　白銀に残された時間が少ない理由。石上が波紋を起こした行動とその影響とは。「二つの告白」が意味するものとは。そして白銀は、かぐやは、告るのか、告られるのか。

　これらの注目ポイントを経て訪れるエピソードのクライマックスは、何度読んでも感慨深く、感情をもっていかれる。このハートをめぐる恋愛頭脳戦の行方と、エモすぎる“ウルトラロマンティック”な結末がアニメでどう描かれるのか、楽しみにしておこう。

文＝古林恭