関西人の謎を解く書。関西人って、スペイン人にも似てるなぁ…
公開日:2012/11/7
東京生まれで関西にはあまり縁のなかった私ですが、スペインに住むようになって思うこと。不思議とスペイン在中の邦人は、関西出身の方が多い。そうなると、自然と接する機会も多くなるのですが、元気があるなぁとしみじみ…。スペイン人の陽気さ、押しの強さ、転んでもただでは起きない強靭さ、自分のことを自分で笑い倒す芯の太さ。そういうものが関西人と共通しているんだ、と薄々肌で感じていたことが、この本を読んで、知識を得ると同時に確認できたのでした。
関西人。すごいんです。アンダルシア州で例えると、セビリア県人がハエン県やアルメリア県を田舎呼ばわりするように、コルドバ人とグラナダ人が永遠に競い合っているように、日本の中のさらに関西でも、本当に同じ図式が京都・大阪・奈良・三重・神戸・・・で繰り広げられているのを知って、思わずうーん。と唸ってしまいました。
本の中では「関西人はデパートでも本当に値切るの?」「喫茶店で紅茶には目もくれないのはなぜ?」「上方落語はどうしてアクションがオーバーなの?」などと、関西以東の日本人なら、誰もが一度は頭に浮かべた疑問に、きちんと史実や習慣に基づいて回答してくれます。
読めば読むほど関西人が愛おしくなること間違いありません。というか、なるほどなるほど! と膝打ちっぱなし。東西や南北での人間性の違いというのは多分、どこの国にも多かれ少なかれ、当てはまるのではないでしょうか。笑いながらも、なかなか奥深い1冊です。
「勉強しまっせ」って、便利な言葉です。関西発だったとは
パンの厚切りが売れるか薄切りが売れるか、東西で違うとは。初耳
関西人の言葉の省略の仕方は「伝統的な発音の違い」からくるものとか
(C)河出書房新社
※画面写真はeBookJapanのものです