うっかり頭がよくなる! 子どもも大人も夢中になる新感覚ドリルで「算数と国語の力」をつけよう

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公開日:2022/4/29

算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル ちょっとやさしめ』(田邉亨:著、伊豆見香苗:イラスト/学研プラス)
算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル ふつう』(田邉亨:著、伊豆見香苗:イラスト/学研プラス)

 子どもの頃、勉強がどうしようもなく嫌いだった。授業は、特に知りたくもない情報の記憶を強要される苦行。そんなふうに思っていた筆者は、当然勉強ができなかった。でももし当時このドリルがあったら――。

算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル ちょっとやさしめ』と『算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル ふつう』(ともに田邉亨:著、伊豆見香苗:イラスト/学研プラス)は、そう思わずにはいられない、クイズ感覚で挑むことができるドリルだ。

 このドリルは、算数オリンピック対策に特化し、その確かな指導力で次々とメダル受賞者を輩出している滋賀県彦根市で開校した専門塾「りんご塾」で使用されているプリントを市販化したもの。「楽しく読んで遊んでいたら、いつの間にか算数と国語の力がついてしまうドリル」として、大きな注目を集めている。

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 単純に問題が並ぶのではなく、物語の世界観に沿って出題されるのが本ドリルの特徴。舞台となるのは、宇宙のどこかにある「惑星ヒマージュ」。このヒマージュを取り仕切る「カミさま」は、後継者候補である「ヒー」と「マー」がまったく勉強しないという悩みを抱えていた。そこでカミさまは地球の学習内容を学び、パズル形式にしてアトラクションを作ることに。こうしてできたのが、ヒーとマーのための「ヒマつぶしランド」。ヒーとマーは、この「地上の楽園」(?)で、100問の問題に挑んでいく。

算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル

 世界観の説明の時点で既に笑ってしまうが、このドリルが本当にすごいのはここから。問題のひとつひとつが、見るとうっかり夢中になってしまうくらいに面白いのだ。筆者も何気なく見始めたのだが、思わず真剣に解き進めてしまった。一応子ども用のドリルではあるものの、問題によっては意外と難しく、大人も一緒に楽しむことができる仕様。ちょっとしたすきま時間の暇つぶしに、まるでクロスワードを解くかのごとく進められてしまう。まさに「ヒマつぶしドリル」という名前がぴったりの内容だ。

 例えば、「ちょっとやさしめ」のこの問題。

算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル

「漢字点つなぎ」は、一見何が書かれているか分からないが、数字の順に繋げていくと答えが見えてくるというもの。こちらは地道にやっていけば確実に分かるハードルの低い問題で、序盤の勢いづけにとても良さそうだ。

 また、「反対言葉つなぎ」は、全部で36個あるマスをすべて一度だけ通り、対になる言葉を繋げていくというもの。ヒントは一切なく、筆者も一瞬迷ってしまった。が、その分解けた時の達成感もひとしお。思わず「よしっ!」と言ってしまった。

 もう2つ、今度は「ふつう」から。

算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル

「数合わせパズル」は、赤、青、緑3色の枠の中の合計が同じになるよう、丸の中に1~7の数字を当てはめていくというもの。ただし、同じ数字は一度しか使えない。これは大人であればすぐに分かる人も多そうだが、小学生の子どもにとっては数字の並びの法則にも気がつくことができる良問だ。

 最後に「ハニカムたし算パズル」は、隣り合った2つの部屋の数を足し、一の桁を右の数字から選んで下の部屋に当てはめるというもの。こうした分からない部分が多い問題が出題された場合、どこから見ていくと効率がいいのか。それを知っておくと、今後さまざまな問題に活かすことができそうだ。

 この「ヒマつぶしドリル」の問題は、暇つぶしで解ける面白さを持ちながらも、ひとつひとつ見ていくと子どもに学ばせたい要素がしっかりと詰まっていると感じた。また、巻末には、ドリル内に登場するユニークなキャラクターたちの紹介ページも。

算数と国語の力がつく 天才!! ヒマつぶしドリル

「ちょっとやさしめ」と「ふつう」の2冊が同時発売となったが、この2冊は問題部分だけでなく、序盤の物語への導入や合間に挟まれている4コマ、キャラクター紹介などのお楽しみ要素もちゃんと内容が変えてあり、本全体から「楽しんでもらおう」という思いが感じられる。これなら、2冊とも購入しても飽きずに挑めそう。義務ではなく自由な気持ちで学ぶ姿勢を作るためには、こうした「面白さ」のある勉強法が必要なのかもしれない。

文=月乃雫

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