数が醸し出すイメージの由来を探る論考
公開日:2012/11/10
アイドルはどこですか。アイドルみたいなものは。と、もどかしくページをめくりました。アイドルが出てこないのです。出てくるのは、数字をめぐるさまざまな知識や風習、慣習ばかり。この本はアイドルをめぐる体型の秘密や、究極のダイエット法を紹介した本ではありません。
数字の生み出すイメージから、その由来を引き出す「数字考現学」といっていいでありましょう。
たとえば八百万の神という言い方を取り上げて、これは決して神様が8,000,000柱いるということではなくて、万という数字には「たいへん多くの」というイメージがあるのだと説明します。
また、日本人は8という数字に弱いんだと、魅了されちゃうんだと、指摘します。ドラックストアやスーパーで、298円はなんだか安いような気がするけど、297円はダメだし、299円にも手が伸びないのはそのせいらしいのです。
その8から導いて、アイドルのウエストは57センチでも59センチでもなく、58センチなのだと、やっとアイドル出てきました。その時の8には、8という字のシェイプといいますか、真ん中がキュッとしまった感じがあって、それがそのまま体型のイメージにつながっているのだといいます。
いずれにしろ、アイドルのことが知りたい場合は、別の本を探すといいでしょう。
ももクロの本ももう出ることですし…。
数が引き起こすサブリミナル効果を数リミナルと名付ける
八、百、千、万が持つイメージの広がり
九九の謎についても
アイドルの煩悶は深い