14年ぶりの第2シーズン開始で話題騒然! 『金色のガッシュ!!』って一体どんな作品?

マンガ

公開日:2022/5/18

金色のガッシュ!!
金色のガッシュ!!』(雷句誠/クラーケンコミックス)

 2022年3月14日、『金色のガッシュ!!2』(雷句誠/BIRGDIN BOARD Corp.)の第1話が電子書籍として配信された。2008年にコミックス『金色のガッシュ!!』(雷句誠/小学館)が惜しまれながらも完結して14年。まさかの第2シリーズ開始という展開は、Yahoo!ニュースやTwitterのトレンドにも挙げられるほどの反響を呼び、作者の雷句誠先生のTwitterには多くのファンから喜びのコメントが寄せられた。

『金色のガッシュ!!』の連載がスタートしたのは2001年と、いまから20年以上も昔だ。すぐに人気作となり、テレビアニメや劇場版アニメ、家庭用ゲームなどが制作され、非常に多くの読者を夢中にさせていった。このたびのTwitterの反響からも、『金色のガッシュ!!』がいかに大勢の読者の支持を集めていたのかがわかるだろう。

 そんな往年のファンたちに向けて、あらためて『金色のガッシュ!!』第1シリーズの魅力をおさらいしたい。もちろん、SNSをきっかけに本作を知った人にとっては、この記事が作品への入り口になるはずだ。

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『金色のガッシュ!!』第1シリーズは、人間界を舞台に、100人の魔物の子が魔界の王の座をかけて、人間のパートナーと一緒に戦いあう物語。戦いのルールはいたってシンプルだ。個々の魔物が持つ「魔本」を燃やせれば勝ち、燃やされたら負け。本を燃やされた魔物は魔界へと強制送還され、最後まで残った魔物が魔界の王になれる。

 その戦いに巻き込まれるのが、主人公の高嶺清磨だ。彼は中学2年生で大学の論文が理解できるほど飛びぬけて頭が良いことから、クラスで浮いてしまい、学校も不登校気味に。

 そんなある日、清磨の前に赤い本を持つ魔物の子、ガッシュ・ベルが現れる。彼はイギリスに住む父・清太郎から「息子の腑抜けを鍛え直してほしい」とお願いされてやってきたという。また父は、清磨にもあるお願いをしていた。それはガッシュの記憶を取り戻すことだった。ガッシュは魔界にいたころの記憶も、人間界に来てからの記憶もまったくないのだ。唯一の手掛かりは、赤い本だけ。

 かくして清磨は、ガッシュの記憶を取り戻す手伝いをすることに。この出会いが魔物同士の壮絶な戦いに繋がっているとは知らずに……。

 本作は、登場する魔物の心が戦いを経るごとに成長していく過程が魅力だ。ガッシュは、ある魔物との戦いをきっかけに「優しい王様」を志すようになり、そのために守るべきことや信念を明確にしていく。他の魔物も同じだ。最初は「ただ勝ち残って王になりたい」と思っていたのに、戦いの中で自分が志す王の姿や、自分が守るべきものを見つけてたくましくなっていく。中には魔界の王になるよりも大切なものが見つかり、それを守るために戦う魔物も……。次第に、お互いの信念や守りたいものを掛けて戦いあう姿が見られるようになるのだ。フィクションだと分かっていても心が震えてしまう。

 もちろん戦いが始まれば、ほぼ必ずどちらかの本が燃える。本作を読み進めていくと、そんなシーンに幾度となく出会うのだが、生き残るほど、パートナーとの絆が深まるほど強制的な別れが辛くなっていく。魔物とパートナーが互いに別れの言葉をかけあうシーンは、どれも涙なしでは見られないだろう。ぜひそこにも注目だ。

 第2シリーズは、魔界の王を決める闘いが終わった魔界を舞台に物語が始まる。SNSでも驚きのコメントで溢れかえるほど、冒頭から衝撃的な展開をむかえるのだが、それは第1シリーズを読んでいるからこそ味わえる感覚と言っていいだろう。ガッシュの世界観を100%楽しみたい人は、ぜひ第1シリーズから読み進めていただきたい。

文=トヤカン

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