新社会人必見!「コント:嫌いな人」で上司や先輩とのバトルを避ける!テレ東名物プロデューサー・佐久間宣行の『ずるい仕事術』

ビジネス

更新日:2022/5/20

ずるい仕事術
ずるい仕事術』(佐久間宣行/ダイヤモンド社)

 社会に出てからは仕事に追われ、終業する頃には疲れてヘトヘト……自分をすり減らしながら生活している人も少なくないだろう。とくに、4月に入社したばかりのフレッシャーズのなかには、業務や人間関係の難しさを目の当たりにして、途方に暮れている人もいるかもしれない。

 そんな悩める人々に手に取ってほしいのが『ずるい仕事術』(佐久間宣行/ダイヤモンド社)だ。

 同書は「ゴッドタン」など、テレビ東京の人気バラエティ番組を手掛け、会社に籍を置きながら「オールナイトニッポン」でラジオパーソナリティを務めていた同局の名物プロデューサー・佐久間宣行氏の仕事術を綴った一冊。

advertisement

「型破りプロデューサーの仕事術なんて、普通のサラリーマンは実践できないのでは?」と思うかもしれない。しかし、彼もまた、独立するまでの約20年ものあいだ企業で働いていたベテランサラリーマンだ。佐久間氏が組織のなかで編み出した「周囲と戦わずに、自分のやりたいことを実現する方法」は、多くの人の参考になるはずだ。「仕事術編」「人間関係編」「マネジメント編」など、6つの章に分けられ、カテゴリーに沿った内容のコラムが収録されている。そこで本稿では、新社会人におすすめの“佐久間流ずるい仕事術”の一部を紹介する。

「コント:嫌いな人」でバトルを避ける

 上司や先輩、取引先は選ぶことができない。なので、相性が悪い人もいれば、あからさまな敵意を自分に向けてくる相手もいるだろう。それでも苦手な人と仕事をしなければならないとき、佐久間氏が実践しているのは「コント:嫌いな人」というテクニックだ。

その人と対面した瞬間、心の中でこう唱える。「コント:嫌いな人」。
そう、芸人がコントをはじめる前に言うタイトルコールだ。
「コント:性格の悪い人」
「コント:自己中クライアント」
「コント:メンツおじさん」
 コールを入れるだけで、自分と相手を客観的に眺められるし、「相変わらず理不尽! 後でどうやってネタにしよう」とおもしろがることもできる。
 そうすると余裕ができて、失礼な態度を取ることも応戦することもしなくなる。
 相手のメンツに触れず、平和的にその場をしまうことができるのだ。

 タイトルコールを入れると相手が勝手にコントをはじめてくれるので、先方が感情的になればなるほど、冷静な自分との対比が滑稽に思えてくるのかもしれない。ちなみに佐久間氏は、コント戦略のおかげで対応力が上がってことあるごとに“めんどうな人担当”にされたが、これまで一度もトラブルに発展した経験はないという。

自分の置かれている状況を俯瞰して見るクセをつけると、カッとしたり傷ついたりと、感情が乱れる回数は減っていく。仕事に集中したいなら、こんなワザも使って煩わしい人間関係はかわしていこう。

 一度負の感情にとらわれると、イヤな気持ちが増幅して仕事の進みが悪くなる。なるべく他人に振り回されず「心穏やかに業務に取り組みたい」という人は、ぜひ心の中でコントのタイトルを叫んでみよう。

 ほかにも、ミスをしたときに社内での評価を上げる“謝罪法”や、社会人の基本「ホウ(報告)」「レン(連絡)」「ソウ(相談)」を“合理的最強ツール”として活用する方法など、新社会人必見のテクニックが並んでいる。

 新入社員向けのものだけでなく、プロデューサーとして培ったマネジメント術や、企画の考え方、メンタルを維持する方法など、さまざまな観点で切り取られた仕事術が紹介されているのも特徴だ。

 ちなみに、タイトルにある「ずるい」という言葉は、決して“手を抜く”という意味ではない。筆者は、ひとつひとつの仕事に真摯に取り組みながら、軋轢を生まずに「自分のやりたい仕事」を勝ち取る方法を“ずるい”と表している印象を受けたが、読む人によっては違う感想を持つかもしれない。佐久間氏のずるさはどこにあるのか、ぜひ手に取って確認してほしい。

文=フクロウ太郎

あわせて読みたい