イヤイヤ期の子どもが浴室へ直行! お父さんの冒険心もくすぐって、親子のおふろを楽しめる絵本【冒頭試し読みアリ】

文芸・カルチャー

公開日:2022/5/25

おふろがでまーす
おふろがでまーす』(accototo/KADOKAWA)

 子どものおふろというと、「入りたがらない」「やっと入ったと思ったら今度は出たがらない」など子育てのなかでも大きな悩みのタネ。ところが、絵本作家・accototoさんのおうちでは、子どもたちがこぞって、お父さんとおふろに入りたがるとか。どうやら、お父さんが始めたおふろあそびが大人気のようで…。

 そんなお父さんのおふろあそびをもとに作られたのが、絵本『おふろがでまーす』(accototo/KADOKAWA)です。すでに絵本を読んだお父さんやお母さん、絵本のプロからは好評の声が多く寄せられているとか!

 それにしても、「おふろに入る」ではなく「おふろがでる」ってどういうこと?

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おふろがでまーす

「おふろがでる」とは…そう、「おふろのお船がでる」ということ。子どもたちはこの「おふろがでまーす!」の響きに好奇心をくすぐられるようで、絵本を読んだ人たちのアンケートによれば、この言葉を掛けると「『まって~!』と慌てておふろに向かう」のだそう。子どもをおふろに向かわせる作戦、大成功♪

おふろがでまーす

 さあ、おふろのお船に乗って動物の島へと出発しま〜す! お船が湯気のなかを進んでいくと、そこには丸い島が見えてきました――。

 この絵本は、おふろのお湯や湯気を利用し、親のからだの一部を使ったあそびで子どもとの入浴タイムを楽しめることを教えてくれます。絵本に登場するお父さんの髪の毛がもじゃもじゃな理由も…後ろのページでタネ明かしがありますよ。

 とてもシンプルなあそびなので、自分流にアレンジしやすいのもいいところ。「次の島は何かな? 手を使ったらどうかな?」とオリジナルの工夫を加えられるので、「親子のコミュニケーションの数だけ物語が生まれます」というお父さんの声も。

おふろがでまーす

おふろがでまーす

 丸い島に現れたのはゾウさんの親子でした。お腹が空いているようなので、りんごをあげましょう…!

 丸い島のあとにも、湯気のなかにはさまざまな島が現れ、そのたびに異なる動物たちが登場します。子どもたちは、「波の音のような擬音語でけらけらと笑い、動物といっしょに食べるマネをして」楽しくあそんでくれるようです。

 短いお話ですが、どのページのイラストもかわいらしく明るいトーンで、保育士さんのアンケートによれば、「乳児から年長さんまで楽しめる」とのこと。「楽しかった」「もう1回!」とおねだりしてくれること必至です。

お父さんと子どものおふろがもっと楽しくなりそう

 おふろのお船に乗っていろんな島を旅する内容で、冒険心をくすぐられる本書。冒険をしながら楽しくなるのは、子どもだけではなく親も同じ。動物にとどまらず、恐竜や昆虫の島まで登場させて、「いろんな世界に行けるのは楽しい」とお父さん自身が楽しんでいるファミリーも。あんなに大変だった親子のおふろが、ちょっとしたアイデアで楽しい時間に。誰がいちばんに入るのか、おふろの取り合いになってしまうかも!?

子どもとおふろに入れる時間は少しだけ

 筆者の子は5歳の男の子なので、お母さんといっしょにおふろに入ってくれる時期はあと少し。まだまだおふろに入りたがらないので苦労しますが、毎日のようにいっしょだった親子の入浴タイムがなくなってしまうなんて…と時折寂しさでいっぱいになります。

 大変なことも多いけれど、子どもとおふろでくっついてポカポカしていると、大人も自然と心と体がくつろいで、親子の絆も深まるような気がします。なんだかんだ言って楽しい親子のおふろ。人生のなかでほんの少しだけの、かけがえのない大切な時間を、せっかくだから積極的に楽しみたい。そんなふうに感じられる絵本でした。

文=吉田あき

【冒頭試し読み】

おふろがでまーす

おふろがでまーす

おふろがでまーす

おふろがでまーす

おふろがでまーす

<続きは本書でお楽しみください>

 

【『おふろがでまーす』絵本原画展】
期間:2022年5月27日~6月14日(水・木は定休日)
場所:ムッチーズカフェ(東京・西荻窪)
https://mucchis-cafe.jimdofree.com/
※新型コロナウィルス感染拡大により、変更・中止になる場合があります。

【発売記念キャンペーン実施中!】
『おふろがでまーす』やaccototoさんのグッズが20名様に当たる!(5/25~7/31)
くわしくは
https://yomeruba.com/campaign/present/entry-12922.html

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