ノーベル賞受賞者の思考法とは!? 益川先生と山中先生の対談集

2012/11/16

「大発見」の思考法 iPS細胞 vs. 素粒子

ハード : PC 発売元 : 文藝春秋
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:電子書店パピレス
著者名:山中伸弥 価格:872円

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ノーベル賞受賞者の益川敏英先生と山中伸弥先生の対談集、『「大発見」の思考法 ―iPS細胞VS.素粒子』。「ノーベル賞受賞者お2人の対談となれば、さぞや難解な会話が繰り広げられていくのでは?」とお思いになるかもしれませんが、心配はご無用です。お2人の研究に関する予備知識の全くない方には、じっくり読まなければ理解しづらい箇所も少しはありますが、全編を通して、非常に読みやすく、お2人は、研究や人生についてわかりやすい言葉を選んで語らっています。

本書の発刊当時、山中先生はまだノーベル賞を受賞されていなく、また、物理学と生物科学と分野は違えど、年齢差もあるお2人ですので、対談は、益川先生がややリードをとる形で進んでいきます。第1章は研究内容に関する話題が主となっていて、山中先生の研究内容の方がより詳しく語られていますから、iPS細胞に関してわかりやすい説明を求めている方にお勧めの内容です。

第2章では、幼少期の話から、学生時代、そして、いかに研究の道に進んでいったのかといった話まで語られ、ノーベル賞受賞者となるお2人が、どんな興味と好奇心を持って成長されてきたのかが分かります。「回旋型の人生」、「一見無駄なものに豊かな芽が隠されている」など、目先の利益を追い求めがちな我々へのメッセージも含まれています。

そして、第3章以降では、「考えるとは感動することだ」、「やっぱり一番を目指さなければダメ」、「科学者として超えなければならない壁」等、研究への思いや人生観が、さまざまな切り口から語られていきます。

内容は多岐に渡り、どの話も大変興味深いのですが、特に印象的だったのは、「自然の方がはるかに独創的」という考えをお2人とも同じようにお持ちだということ。ノーベル賞受賞者の思考法に触れられる本書は、物理学や生物科学に特に関心がない方にも興味深い内容が満載です。皆さんもぜひご一読いただき、気になるひとことを見つけてみてください。


第1章は、研究内容に関するお話がメインに。難しい研究が、平易な言葉で語られます

2008年の益川先生のノーベル賞受賞のニュースに励まされたと語る山中先生。対談は2010年に行われています