料理上手は小さく得するけど、大きく損をする/たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集⑥

文芸・カルチャー

公開日:2022/7/25

『有閑倶楽部』『デザイナー』『砂の城』『プライド』など、数々の名作を生み出してきた、少女漫画界のレジェンド、一条ゆかりさん。人によく相談事をされるという一条さんが、いくつになっても迷える女性たち、ひいては人類に授ける金言集『不倫、それは峠の茶屋に似ている たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集』(集英社)が誕生! “刺さりまくる”と巷で話題沸騰中の金言の中から、本連載では厳選した6つの言葉をひとつずつご紹介します!

料理上手は小さく得するけど、大きく損をする

 料理上手だと、「すごいね」「おいしいね」って、みんなにほめてもらえるし、男にもちょっとモテたりするけど、結局、全部自分で作るはめになって、最終的には損してることが多い! これは紛れもない事実です。

 たとえば漫画の連載を抱えていた時も、私がアシスタントたちのご飯を作ってました。アシスタントが作るのが普通だと思うけど、「冷蔵庫にあるもので適当に作って」と言ってもできない人がいるのよ。ネギがなければニラで代用してくれよと思うけど、そういう機転もきかなくて、いちいち聞きに来たり。

 だから前もってメニューを決めて、食材をそろえて、作り方説明して…って、やってると、「ええい、面倒くさい!!」ってなって、「自分で作ったほうがラクだ」ってことになっちゃったのよね。

 つまり料理上手の人は、うまく考えてやらないと、自然と下働きをすることになってしまうんです。

 それがイヤで結婚してた時は、ダンナによく言ってました。「私、料理は好きだけど、おさんどんは嫌いです」って。

 料理は作るとほめられる。でも、おさんどんは、やらないとなじられる。同じことをしていてもストレスはまったく違うのよ。

 ようは義務ではなくて、自分が作りたいと思ってやるかどうか。ダンナには、「作りたい時は作るけど、作りたくない時は外食しましょう」と、はっきり宣言してました。

 料理上手のみなさんもただの下働きにならないように、うまく考えて行動しないとストレスが溜まりますよ!

<続きは本書でお楽しみください>

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