イライラして機嫌が悪い運転手。客を乗せ、人気のない場所へ向かった理由は…【タクシーの運転手】/意味がわかると鳥肌が立つ話 続③

文芸・カルチャー

公開日:2022/9/28

大ヒットしたショートストーリー集、「5分後の隣のシリーズ」『意味がわかると鳥肌が立つ話』の続編! 蔵間サキ編著の小説『意味がわかると鳥肌が立つ話 続』から厳選して全11回連載でお届けします。今回は第3回です。一見何気ない物語、しかし、ページをめくり読み進めると、そこには鳥肌の立つような意外な展開が…! 恐怖だけでなく、感動や笑いなど、思わず背筋がゾワッとする『意味がわかると鳥肌が立つ話 続』を、ぜひお楽しみください! 最悪な気分で仕事に向かったタクシー運転手。大通りで男の客を乗せたが、客が告げた目的地とは違う場所を走る…その理由は…。

【怖い場面あり、苦手な人は閲覧注意!】

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意味がわかると鳥肌が立つ話 続
『意味がわかると鳥肌が立つ話 続』(蔵間サキ:編著/Gakken)

タクシー運転手

 タクシー運転手はその日、最悪な気分で仕事へ向かった。

 深いため息をついて運転席につく。運転の邪魔になる指輪を指から外し、乱雑にダッシュボードに投げ捨てる。

 彼は心底イラついていた。しかし、仕事にそんな感情を持ちこむと、ろくなことにはならない。気持ちを切り替えて臨んでいたのだが、夕方、事件は起きた。

 彼は、大通りで手を挙げている男を見つけた。歩道のそばに車をつけ、ドアを開ける。電話をしながら乗り込んだ男が、ぞんざいに行き先の住所を告げる。運転手の表情は不機嫌なままだ。

「……かしこまりました。その住所ですと、○○駅の近辺ですね」

 返事はない。車内には男の話し声だけが聞こえる。運転手の表情に生気はなかった。

 電話に夢中になっていた男がふと気がつくと、タクシーは目的地とはまったく違う、人気のない場所を走っていた。

「おい、ここはどこだ!」

 男の怒号が響くや否や、運転手は急ブレーキをかける。シートベルトをしていなかった男は、頭を強く打ちつけた。ドアが開き、鬼のような形相の運転手が男をクルマの外に引っ張りだす。男は抵抗することもできず、何度も何度も運転手に殴られた。

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