彼と同じ高校に行きたくて猛勉強! 合格発表当日、掲示板を見て私は泣き崩れる…【合格発表】/意味がわかると鳥肌が立つ話 続⑤
公開日:2022/9/30
大ヒットしたショートストーリー集、「5分後の隣のシリーズ」『意味がわかると鳥肌が立つ話』の続編! 蔵間サキ編著の小説『意味がわかると鳥肌が立つ話 続』から厳選して全11回連載でお届けします。今回は第5回です。一見何気ない物語、しかし、ページをめくり読み進めると、そこには鳥肌の立つような意外な展開が…! 恐怖だけでなく、感動や笑いなど、思わず背筋がゾワッとする『意味がわかると鳥肌が立つ話 続』を、ぜひお楽しみください! 彼と同じ高校へ行くために、頑張って勉強して試験に臨んだ。そして合格発表の日、友だちと一緒に番号掲示板を見に行くと…。
【怖い場面あり、苦手な人は閲覧注意!】
合格発表
わたしの彼は、とても頭がいい。わたしは成績がよくなかったけれど、彼と同じ高校に行きたくて、頑張って勉強した。
成績も上がったし、先生も「最大限の力を発揮できれば大丈夫だ」と言ってくれた。
わたしは自信をもって、試験に挑んだ。手ごたえはあったけど、不安でたまらない。でも、あとは運を天にまかせるしかない。
合格発表の日。わたしは、彼ではなく、友だちと一緒に番号掲示板を見に行くことにした。だって、もしわたしが落ちていたら、彼が素直に喜べないのは申し訳ないから。
掲示板の前に集った人々の中から、「番号を見つけた」とか、「見つからない」とかという、騒がしい声が聞こえる。どうか、合格してますように!
「ほら美咲。いつまでもお祈りしてないで、自分の番号を探しなよ。お祈りしたって、結果は変わらないから」
「う、うん」
わたしは、自分の受験番号を探した。そして、わたしは泣き崩れた。
「え!? なに、どうしたの? 受かったのがそんなに嬉しいの!?」
わたしは、首を横に振ることしかできなかった。