ぼくはぼく。自分が「カッコいい」と思うものが好き!/サッカー日本代表:浅野拓磨『考えるから速く走れる ジャガーのようなスピードで』

スポーツ・科学

公開日:2022/12/7

 2022年11月23日(水)日本中が歓喜に沸いた。FIFA ワールドカップの初戦、優勝候補の強豪・ドイツに2対1で逆転勝利した日本! FWの浅野拓磨選手がゴールを決めた瞬間、感動して涙した方も多いのではないでしょうか。

 今回は、今最も注目されてるサッカー日本代表:浅野拓磨選手の書籍『考えるから速く走れる ジャガーのようなスピードで』をご紹介します。

「誰よりも深く考えなければ、誰よりも速く走ることはできない」……。7人兄弟の3番目という大家族に生まれ、サンフレッチェ広島の10番からあっという間にプレミアリーグ・アーセナルに完全移籍した浅野拓磨選手。

“世界最速”とも評されるサッカー選手は、試合中にいったい、どんな景色を見ているのか? 海外でいま直面している悩み、そして、日本代表への強烈な思いとは――。

 浅野拓磨選手の思いが詰まった『考えるから速く走れる ジャガーのようなスピードで』を、ぜひご覧ください!

※本作品は浅野拓磨著の書籍『考えるから速く走れる ジャガーのようなスピードで』から一部抜粋・編集しました

浅野拓磨の「自分らしさ」

世の中の「カッコいい」の基準って何だ

 ファッションについても、「サッカーにうといこと」と同じ理由から、似た考えをもっています。

 海外に来てからとくに感じるのですが、日本では、みんなが同じような格好をしているような気がします。流行りに合わせて洋服を選び、誰かが「カッコいい」といったら、このあいだまでそう思ってなかったはずなのに、みんないっせいにそれを着る。

 ぼくはそれがよくわかりません。納得する必要はないかもしれないけど、どうしてもその心情が理解できない。

「誰かの真似をしない」というプライドをもっているわけじゃありません。単純に、誰かがカッコいいといったものじゃなく、自分がカッコいいと思うものを着たい。

 ちなみにぼくは、いつかのジャスティン・ビーバーみたいなファッションがすごく好きだったころがありました。ちょっとダボッとした服装に、ハイカットのスニーカーを合わせて。まあ、いまでもそんなに変わっていないのですが、日本にいるときから周りに「ダサい」といわれることが多々ありました。

 ぼくのファッションに対して「ダサい」というのはいい。けれどあなたが着ているその洋服は、いったい誰から見て「カッコいい」ものなのか。ほんとうに自分が心からカッコいいと思っているのか。もしかしたら、他の誰かがカッコいいといっているだけじゃないか。

 ファッションって、たしかに〝誰か〟にカッコいいといわれたいから着飾るんだと思います。だから、みんながカッコいいと思う流行りに乗るのは当たり前のことかもしれないけど、誰かの影響を受けてカッコいいと思ったものが、そのままカッコよさの基準となるのはおかしい。

 そういう意味で、ぼくはブレません。自分がカッコいいと思うものはカッコいい。

 もちろん、これもたんなるファッションの話ではありません。誰かを真似したり、影響を受けすぎるのは違うんじゃないかということです。サンフレッチェ広島では水くん(水本裕貴)の背中を見て育ってきたけれど、水くんの考え方や人生観のすべてをそのまま受け入れているわけでもありません。

 ぼくはぼく。違うものは違う。だからぼくは、たった一つの正解をつくりません。いろいろなものを見て、いろいろな考え方を吸収して、確固たる〝自分らしさ〟をつくりたいんです。

<第8回に続く>

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