アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』あらすじ紹介。孤独な闘いと敗北の末に得たものとは?

文芸・カルチャー

更新日:2024/2/8

老人と海』なら、ストーリーを知っているから読んでいないという方いませんか? この小説は「老人が巨大な魚と格闘する」というシンプルな内容ですが、最後のサメとの壮絶な死闘の描写や、心温まる結末は意外と知られていません。そこで、今回はヘミングウェイの『老人と海』をわかりやすく解説します。短く面白い作品なので、ぜひ手に取って読んでください。

老人と海

『老人と海』の作品解説

 著者であるアーネスト・ヘミングウェイは、アメリカ出身の小説家で、従軍経験を基にした『武器よさらば』『誰がために鐘は鳴る』などが有名です。晩年は飛行機事故の後遺症による精神疾患に悩まされ、1961年に自殺をしました。1952年に出版された『老人と海』はピューリッツァー賞を受賞。また、著者がノーベル文学賞を受賞したのは、この作品の評価からだといわれている。

『老人と海』の主な登場人物

老人(サンチャゴ):ハバナ近郊の町に住む漁師。84日間も不漁が続き、漁師仲間に馬鹿にされている。
少年(マノーリン):5歳の頃から老人に漁の手ほどきを受けた、弟子のような、友のような存在。
ライオン:若い頃にアフリカで見た、漁師として全盛期であった時代の象徴。老人の夢に度々登場する。

『老人と海』のあらすじ

 老人は自らを慕う少年に見送られ、早朝の暗がりの中、ひとり小舟で海に漕ぎだした。かつては腕利きの漁師として名を馳せていた老人であったが、不漁が84日にもわたり、「運に見放された」と漁師仲間の笑いものにされていた。しかし、老人には悲壮感の欠片もない。今朝もライオンの夢を見て目覚めたからだ。

 太陽が昇って2時間が過ぎた頃、ついに大魚――18フィート(5m超)もの巨大なカジキがかかる。網を背負い踏ん張る老人だが、大魚は悠々と舟を沖へと引っ張っていく。

 大魚との戦いは3日にも及んだ。流血を伴う負傷をし、疲労で気を失いかけながらも老人は決して網を離さない。そして、ついに力尽き浮上した大魚に銛を突き立て、仕留めることに成功する。仕留めた大魚を舷側に括りつけ、帰路に就こうとする老人。だが、彼の本当の戦いはこれからだった。大魚の血の匂いを嗅ぎつけたサメが次々と襲撃してきたのだ。

 持てる武器を全て失ってまで戦う老人。サメに食い千切られていく大魚。最後は舵棒すら武器にするが、港に着くころには大魚は骨を残すのみとなっていた。老人は小屋まで這いずり、ベッドに倒れ込み眠りにつく。

 翌朝、目を覚ました老人は、少年が淹れてくれたコーヒーを飲みながら語らい、かつては一緒に漁に出ていた少年に「今度はまた一緒に行こう」と誘われる。「俺には運が無い」と難色を示す老人であったが、「運なんて、僕が持って行けばいいよ」と言う少年の優しさに触れ、喜びを噛みしめる。そして、老人は少年に見守られながらまた眠り、ライオンの夢を見るのだった。

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<第47回に続く>

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