第38回『CG治療に挑む 後編』 土屋礼央

更新日:2013/8/6

遅刻をしない加納さんにコツを聞いてきました。遅れた後に謝るのが大嫌いなんだって
絶対謝りたくないって思う事だそうです。オイラは誤ってばかり……

『CG治療に挑む 後編』

人間は二つのタイプに分かれる。

遅刻をしない人と遅刻をする人だ。

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左が遅刻をしない人、右がする人

いつもする人はするし、しない人は基本しない。

どちらが良いか悪いかは歴然としていますが
あえて、ここでは並列に考えさせてもらおう。
するタイプとしないタイプです。

ちなみに僕はするタイプ。
もちろん遅刻癖(以後、CG)を改善したい。
でも、なかなか治らない。

そんなタイプなのです。

僕らみたいなタイプには
遅刻をしてしまう理由が存在します。

5分前集合の、
その5分が勿体ない。

佐々木小次郎より、
宮本武蔵の方が格好良いから
遅刻してしまう。

上記の様に、前回連載で
まずはCGの”言い訳”を羅列させてもらいました。

確かに遅刻をするしないに
優劣をつけてしまうと
遅刻組は、
何を発しても言い訳となってしまいます。

しかし遅刻をする事をタイプと捉える事により
その言い訳は原因となり
治療をするきっかけとなる。

“遅刻。それは全てを失う序章である”

これはTTREのHPのトピックスに僕があげた文章です。
頭では分かっているのです。
でも遅刻をしてしまうタイプなんです!

遅刻をするタイプの同士たちよ!
遅刻をしてしまう原因を解明し
遅刻をしてしまうタイプでも
遅刻をしなくなる方法を見つけだそうじゃありませんか!
オブザ遅刻!バイザ遅刻!フォーザ遅刻!


フォーザ遅刻!

今回の原稿の内容をダ・ヴィンチ編集部K氏に説明する。

「良いんじゃないですかぁ、
極々少数の遅刻をするタイプの人の心に刺されば……
ま、私はまったく共感しませんけど

冬だからではない。
本当に乾いた返答が帰ってきました。

でもお許しが出たところで始めます。

「遅刻をしてしまうタイプの人、必読!
これであなたも勝手に遅刻がなくなる!」

をお届け。

“勝手に”が重要です。
乗換案内で時間をちゃんと調べるとか
目覚まし時計を5個買うとか、
そんな体育会系な改善方法は長くは続きません。
タイプはタイプです。
遅刻をしてしまうタイプのまま
遅刻をしなくなる方法を考えたいのです。

じっくり読みすぎて遅刻しないようにね!あっはっは!

では、どうすれば遅刻がなくなるのか?

この半月はその事ばかり考えていました。
考えすぎて、遅刻をしてしまった位です。

そうだ、遅刻をしない喜びを設ければ良い!
スポーツ選手に勝利給がある様に
遅刻に関してもニンジン作戦だ!
遅刻をしないとお金持ちに!!
わおっ!

いや、それでは、大半の人がもらえる訳で
会社は倒産してしまう……。

逆に遅刻に重い罰金を科せば良いのか?

いや、ちょっと待て、それはそれで危険だ。

「金さえ払えば良いんでしょ、払えば」

逃げ道を作ってはいかん。
どんどん人として落ちぶれていく気がする……。

うーむ、遅刻、遅刻……。

“心がけ次第”

が答えの解決法は避けたい。
なんとか、やる気がなくても、
知らずと遅刻がなくなる方法を考えたい……。

遅刻。

なんだか遅刻って漢字を見続けていると
遅刻という漢字が、
そんなに格好悪くない事が
遅刻をしてしまう理由な気がしてきました。

なんだか趙雲に見えなくもない。
(三国志)

遅刻をもっと酷い字にしてみたらどうだろう?


恥国。

恥ずかしい国民と書いて
恥国。

「あれ?土屋君は恥国かな?」

おぉ、これは嫌だ……。
いやだ、恥国は嫌だ。
恥国はしたくない。

採用。

という事で
この連載では、ここから遅刻を恥国に変換します。

土屋礼央恥国。


恥国民

あぁ、書くだけでテンション下がる。
恥国が勝手に嫌になってきました。
さらに続けましょう。

あなたは食べたいものを最初に食べるタイプですか?
最後にとっておくタイプですか?

わたくし、気づいちゃいました。
食べたいものを最初に食べる人は恥国をしないタイプ
食べたいものを最後に食べる人は恥国をしてしまうタイプ
に分類されるって事に。

恥国をしないタイプの人に
食べる順番について質問してみた。


「最初に、食べたいものを食べますね」
「わたしも、最初に食べます」

恥国をしがちな人にも聞いてみた。


「食べたいものは後にとっておきますね」

ほらっ!

お寿司を食べているとします。
勿論、僕は食べたいものを最後にとっておくタイプなので
食べる順番はこうです。
カッパ巻き→タコ→白身→サーモン→中トロ。

食べたいものを最後に食す事で
その思い出が最も美しい状態で残るのが素晴らしい。
美味しい中トロを口いっぱいで味わい、惜しむようにゴクリと喉を通過。
あぁ、美味しい……。
そして、中トロフレーバーの余韻を楽しみ終わったら
丁度良い熱さの粉茶で中トロフレーバーを流し込む……。

あぁなんて幸せなんだ。
ずっと、こうしていたい……。
もうちょっとこのままでいよう……。
ここです。
恥国の原因はここでした。

余韻です。
余韻こそ、恥国の原因だったのです。

そう言えば、
ライブ終了後、ライブの余韻に浸り、一人だけ後片付けがいつも遅れます。
朝、目覚めても、布団の中の余韻が勿体なくて、なかなかベッドから出ません。

“恥国、それは全てを失う序章である”

恥国はいけないと分かってはいますが、
“序章”
と言っている時点で実は甘い。
でも、
恥国を超える余韻が常に存在しているから
甘く考えてしまうのです。

僕の中で
余韻>恥国なのです。


余韻を楽しんでいる恥国をするタイプの人

改めて言います。


食べたいものを最初に食べる人は恥国をしないタイプ
食べたいものを最後に食べる人は恥国をしてしまうタイプ
に分類されます。

という事で
食べたいものを最初に食べるタイプを実験してみました。

回転寿司、入店。

「炙りサーモンとうなぎ下さい」

なんて豪快。
新鮮。

後先考えずに、食べたいものから注文。
うなぎなんて価格高騰中で、特別価格で倍の値段なのに最初から注文。

というか
回転寿しなので食べたいものだけ食べれば良かったので
炙りサーモン→うなぎ→手巻き漬けマグロ→エンガワ→炙りサーモンと
極楽状態。
そして中トロを注文。

あぁ、美味しい。
このまま余韻に浸りたい……。

しかしこれでは何も変わらない。
最後に普段のお寿司なら序盤に食べるものを注文しよう。

「イワシ下さい」

えぇ!? イワシ!?

締めがイワシィ!?

序盤に食べるのが魅力のイワシ!?
自問自答を繰り返す、僕の胸中。

しかし恥国をなくす為に、これぐらいはしょうがない。
残念だが、口の中の中トロフレーバーにはさよならを言おう。

「へい、イワシ!」

いただきます。

パクリ。

おぉ、ショウガがのっててさっぱりー。
このショウガ感、僕の中で、食事フィニッシュ感ゼロ!
逆に
さぁ食べるぞ感しか無い!
でももう、お腹いっぱい。

余韻ゼロ。
このやるぞ感を他に活かしたい!

早く次の現場に行きたい!
粉茶を一口飲んで

「ごちそさんでした」

食事タイム終了。

早っ!!

自分でも驚くほど、店を出るのが早かった!

もう次に移りたい、次のプロジェクトに進みたい。
余韻がないって、こういう事なのね!

効果覿面でした。

恥国をするタイプの皆様、
ぜひ食事の最後はメインじゃない食べ物で
フィニッシュしてみてください。
勝手に恥国しなくなります。

全ては余韻でした。
他の事でも
余韻を消す作業を加える事で
恥国をしたくてもしなくなります。

そういえば、最近のテレビも番組が終わるのかなと思った瞬間に
次の番組に切り替わり、余韻を楽しませない。

他の事柄でも、余韻を打ち消す方法がありそうです。
色々と余韻を打ち消す方法、試してみたいと思います。

先ずは食事から恥国を改善してみようと思います。

お寿司なら、最後にイワシ。
洋食なら、最後にピクルス。
中華なら、最後にピータン。

これなら自然に無理無くやれそうだ。

この方法、ヨインでは?

ではでは土屋礼央でした。



そしてちょっとお知らせが……。
実はわたくし、4月からダ・ヴィンチ電子ナビ内で
別企画の短期連載を開始しちゃいます。

そちらの連載中は、このレオナルホド・ダ・ヴィンチはお休みします。
またその連載が終了したら、再開いたしますので、お忘れなきよう。

3月は連載準備の為に時間を頂きますので
4月までしばらくお待ちくださいー!

バイチャ。