「執着をとる方法」内田 樹×名越康文×橋口いくよ 勝手に開催!国づくり緊急サミット
更新日:2013/8/6
文=橋口いくよ 写真=川口宗道
執着心が強い人には鬼のツノが生える!?
橋口 今回は「執着」についてです。
名越 頭の形で言えば、頭のハチが張っている人に多いんですよ。執着心がある人っていうのは、ちょうど鬼のツノの位置が出っ張っていて……。
橋口 あの、私普通に出っ張ってます。
名越 ちょっと、触りますね。わ、ほんとだ。良く言えばこだわり派ですが……まあとにかく橋口は作家になって本当に良かったですね。
橋口 なんか怖い。殺人鬼に多いとか、そういうんじゃないですよね?
名越 えっと、ここでそんなこと言えませんよ。
橋口 余計怖いです。
名越 (笑)実は、僕もツノの位置がちょっと張ってるんです。だから、テレビや取材で髪の毛を人にやってもらう時、真ん中を立たせてくださいって伝えるんですよね。
内田 名越さんの髪形はそこまでじゃないけど、男の子で真ん中をやたら立たせてる、ドングリみたいな頭、今、すっごく多いよね。あれ、何か意味があるのかなって思っていたけど、今の話だと「ツノが出てないですよ」っていうアピールなのかもしれないね。危険な人間じゃないですよっていう。
名越 それは言えるかもしれません。
橋口 私もハチが張っていると気づかれるのは、確かになんか嫌なんです。人って食いしばりがあったり、噛み締めが強いと、ハチが張ってツノの部分が出っ張ってくるらしいんですね。だから、噛み締め防止のために、毎晩マウスピース入れて寝てますし、寝る前には瞑想してリラックスしたりとか。これでもずいぶん丸い頭になって、横が出っ張らなくなったんですよ。
名越 触ると張ってましたが、確かに見た目はほとんどわからないぐらいですよ。
橋口 内田先生はぜんぜん出っ張っていないですね。触ってもいいですか?
内田 いいですよ。
橋口 うわ。ぜんっぜん出てない。かっこいいなあ。
名越 内田先生は、本当にツノがないですね。
内田 そう? ツノの部分が張っている人間が危険ということになってくると、サリーちゃんのパパみたいな髪形の人は……。
名越 あれはヤバいですよ!
橋口 しかも意識的に髪形であえて表現してるわけですもんね。 そうなってくると、萌え系のツインテールっていうのも、女の子の危険さをアピールしているとも言えますよね。顔は童顔なのに、本当はすごく執着が強くて、ツノ生えてるんですよ、って。確かにあれをやると、バーンとスイッチ入る感じがあるなあ。武器っぽいもの持った気になるというか。元から張っているのは嫌だけど、人工的に張らせるのはいいっていう不思議。面白いですね。昔は下のほうに髪をしばって「お下げ」とか言ってましたよね。あれも安全アピール、いたいけ女子アピールだったのかもしれません。ツノは出しませんっていう。
内田 そうすると花嫁さんの角隠しって、本当にツノを隠すためなんだね。その人の執着を隠すためのものっていうさ。
橋口 結婚式に執着丸出し花嫁はキツいですから!
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内田 樹
うちだ・たつる●1950年東京都生まれ。思想家。神戸女学院大学名誉教授。凱風館館長。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。2007年『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第6回小林秀雄賞を、10年『日本辺境論』(新潮新書)で新書大賞2010を受賞。近著に『街場の文体論』(ミシマ社)、『ぼくの住まい論』(新潮社)、光岡英稔との共著『荒天の武学』(集英社新書)など。自身が運営するブログは人気サイトでもある。「内田樹の研究室」http://blog.tatsuru.com/
名越康文
なこし・やすふみ●1960年奈良県生まれ。精神科医。専門は思春期精神医学、精神療法。臨床に携わる一方で、テレビ・コメンテーター、雑誌連載、映画評論、漫画分析などさまざまなメディアで幅広く活躍中。近著に『自分を支える心の技法』(医学書院)、『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』『心がスーッと晴れ渡る「感覚の心理学」』(ともに角川SSC新書)、内田樹&西靖との共著『辺境ラジオ』(140B)など。毎月第1・第3月曜日に「夜間飛行」(http://yakan-hiko.com)名越康文メルマガも配信中。
橋口いくよ
はしぐち・いくよ●1974年鹿児島県生まれ。作家。著書に『愛の種。』『蜜蜂のささやき』(いずれも幻冬舎文庫)、『アロハ萌え』『猛烈に!アロハ萌え』『おひとりさまで!アロハ萌え』(すべて講談社文庫)、『原宿ガール』(メディアファクトリー)、『小説 僕の初恋をキミに捧ぐ』『小説 少年ハリウッド』(ともに小学館文庫)など。最新情報はオフィシャルブログ「Mahalo Air」http://ameblo.jp/mahaloair/