ブンガク部の救世主?顧問をさがせ! 『化物語』ほか ―ブンガク!【第3回】―

2013/4/16

 中高生を中心に大人気の「ライトノベル」(通称ラノベ)。最近ではテレビアニメ化などの影響でファン層も拡大しています。そこで、ラノベって言葉は知ってても読んだことがない、という初心者向けに“超”入門コラムをお届け!代表的な作品の紹介や、楽しみ方について、作家や絵師など関係者への取材も織り交ぜながら、ラノベ風の会話劇でお送りします。毎月第1・3火曜に更新予定!

制作協力:代々木アニメーション学院 / 文=カンダ ユウヤ 絵=ましま


【前回までのおさらい】
○ブンガク部が廃部ってどういうこと?【第1回】 ブンガク!
○帰国子女でラノベ好きな美少女あらわる【第2回】 ブンガク!

~廊下にて~


「……ふ~ん、これからというもの、どうしたものかな」


「どうしたんですか、先輩? 黄昏? 心ここにあらず?」


「いいや、僕はただこれから会う先生とは誰なんだとか、これから僕たちはどうなるのかとかさ」


「ああ、唯ちゃんが行っていた先生のことですか……確か、田中先生でしたっけ?」


「あ、そうそう、あまり名前を聞かない先生だから、どんな先生なのかなって思ってさ」


「まあ、新任の先生ですからね」


「……お二人さん、何をぶつぶつ話しておりますの?」


「ああ、いや、別に何も……」


「まあ、別にいいですけど。さあ、着きましたよ、ここです」


「ふ~ん、ここは……え!?」


「え~と、保健室ですよね」


「なんで保健室!?」


「それは田中先生は保健の担当の先生ですから」


「初耳なんですけど!?」


「初めて言いましたから、初耳なのは当然かと思います。てなわけでレッツ・入室です!」


「うわ、なんと! 前振りなしのストレートな入室だ!」


「失礼します、もしくはタノモー、田中先生はいらしゃいますか?」


「おい待て待て、その挨拶はおかしいだろう!」


「こういうのはファーストコンタクトが大事なんです、邪魔しないでください」


「はい、は~い、私が田中ですが、何か御用でも~」


「ふう、意外と普通の人だ……ん? 唯ちゃん、どうしたの?」


「あ、あなたがあの噂の……先生? 今、私の目の前に!」


「唯ちゃん、もしも~し、大丈夫?」


「イッツア、グレート! ファンタスティック! ウフフフッ!」


「えーっと……君たち誰だい?」


「あ、僕たちブンガク部の……」


「キャーッ! わ、私、佐藤唯と申します、お初にお目にかかり光栄です、田中先生!」


「あれ!? なんか唯ちゃんさ……」


「はい、キャラが壊れはじめてますね」


「佐藤唯?……佐藤? あ、そうか昔、お世話になった佐藤さんだね。そういえば前に娘さんが日本に来るとか、メールが来ていたような」


「はい、そうです。私がその佐藤の娘です」


「え、知り合いなの二人!?」


「……もう、ちょっとやそっとじゃ、驚かないぞ。あはは……」


「あはは、元気がいいなぁ、何かいいことでもあったのかい?(※1)

※1「元気がいいなぁ、何かいいことでもあったのかい?」
『化物語』(西尾維新/講談社)

高校3年生の少年、阿良々木暦はある日、クラスメイトの戦場ヶ原ひたぎの秘密を知ってしまう。それは彼女には体重が殆ど無いという事実だった――。台湾から現れた新人イラストレーター“光の魔術師”ことVOFANと新たにコンビを組み、西尾維新が満を持して放つ青春怪異小説。2009年に西尾作品としては初めてアニメ化され、新房昭之監督の斬新な演出によって大人気となり、『偽物語』『猫物語(黒)』など全“物語シリーズ”のアニメ化が予定されている。冒頭のセリフは化物語の作中の登場人物、忍野メメが口にする口癖台詞。


「はい、私、先生が学生時代に書いた小説が大好きで……遥々日本へ」


「ああ、アレか……そうだったのか、で僕に何か用かい?」


「あ、そうでした。部活動の顧問について、聞きに来たのでした」


「部活動? 青春してるね~、隣人部(※2)でも作るの?」

※2「隣人部」
『僕は友達が少ない』(平坂読/メディアファクトリー)

聖クロニカ学園、ヤンキーと勘違いされている高等部2年生の羽瀬川小鷹は、ある日、同級生である三日月夜空の痛い一面を目撃してしまう。以来、小鷹は夜空に付き合わされ友達を作るために「隣人部」という部活まで作るはめに。しかも何を間違ったか続々と残念な美少女達が入部してきて――。残念系青春ラブコメというジャンルを確立した人気作。略称はタイトルのひらがな部分だけを読んだ「はがない」。漫画、アニメ、ゲームなど幅広くクロスメディア展開している。


「まあ似たようなことかと、中島先輩、用件を……」


「あ、うん。僕たちブンガク部の者なんですけど実はカクカクシカジカなことがありまして……」


「……ふ~ん、それで昔からラノベとかアニメが好きな僕に顧問になってほしいと、なるほどね~」

  
「「「はい!」」」


「だが断る!」

  
「「「え!?」」」


「な、なな、何故ですか?」


「まあ、面白そうだけどさ。僕そういう面倒くさいの嫌やだし、顧問とか色々と大変なんでしょう」


「そうだとは思いますけど……そこを何とか」


「で、でもさ~、僕、顧問とかやったことないしさ」


「たのんます~、僕らには先生しかいないんです!」


「先生、私からもお願いします」


「……う~ん、それならチャンスをあげよう。僕の出す課題をクリアできたら顧問になることを考えてあげてもいいよ」


「本当ですか!!」


「だが、君たちが僕の出す、クイズ形式の問題にちゃんと答えられたらね。はい中島君、コレ。いくつか読んどいてね……」


「何ですか、コレ?」


「そこのラノベからクイズの問題を出すからね。みんなでそれを読んでまた保健室に来てね。じゃあ、またね。さようなら~」


「……先生、言うだけ言って帰っちゃいましたね」


「……ああ、帰っちゃたね」


「で、何を渡されたんです?」


「えっーと、それは……」

 ・・・・・・つづく
 
 

次回予告


「さてさて、次回予告!」


「やっと顧問の先生に会えたと思いきや、癖のある先生が出てきましたね」


「まあ人生、楽あり苦ありみたいなところかな。およそ一人は違うみたいだけど」


「……ああ、やっぱり田中先生、ステキですね! ウフフ!」


「ああ、なんかキャラが変わっちゃってますもんね、唯ちゃん」


「てなわけで、次回のブンガク!をお楽しみに!」