ラノベって女の子でも読めるの? 『キノの旅』ほか ―ブンガク!【第6回】―

2013/6/18

 中高生を中心に大人気の「ライトノベル」(通称ラノベ)。最近ではテレビアニメ化などの影響でファン層も拡大しています。そこで、ラノベって言葉は知ってても読んだことがない、という初心者向けに“超”入門コラムをお届け!代表的な作品の紹介や、楽しみ方について、作家や絵師など関係者への取材も織り交ぜながら、ラノベ風の会話劇でお送りします。毎月第1・3火曜に更新予定!

制作協力:代々木アニメーション学院 / 文=カンダ ユウヤ 絵=ましま


【前回までのおさらい】
○【第1回】ブンガク部が廃部ってどういうこと?
○【第2回】帰国子女でラノベ好きな美少女あらわる!
○【第3回】ブンガク部の救世主?顧問をさがせ
○【第4回】ラノベ好きな先生からの挑戦状
○【第5回】『東京レイヴンズ』作者・あざの耕平さんに聞いてみた

~教室~

中島優斗(普)
「さてと、授業も終わった。そうだ、部活、部活!」

クラスメイト(普)
「……ねえ、中島君。今日は日直でしょう、どこに行くの?」

中島優斗(困)
「ああ、そうだった。ごめん、忘れてた……」

クラスメイト(笑)
「え、いいよ。そんなに気にしなくても……」

中島優斗(困)
「そう、今川さん」

今川凜子(普)
「ところで中島君、どうしたのそんなに急いで?」

中島優斗(困)
「いや、実はね。いま部活が大変なことになっててね、これから、部員募集をするためにいろいろと作業がね……」

今川凜子(笑)
「ああ、ブンガク部のこと、こないだはすごかったよね、校内ラジオで大盛り上がりでさ」

中島優斗(困)
「うん、本当にいきなりラジオだなんて、まったく勘弁してほしいよ」

今川凜子(笑)
「でも、凸凹コンビが面白い部活を始めたって、校内で意外と話題になってたよ」

中島優斗(困)
「え? なにそれ、僕らいつからコンビ扱いになってたの?」

今川凜子(普)
「ん? ……で、ブンガク部って、どういう活動をしてるの?」

中島優斗(普)
「基本は、お話とか、小説とかを書いたりしているよ。まあ主な面々はライトノベルを書いてるけど……」

今川凜子(普)
「小説かぁ……ん? それとライトノベルって?」

中島優斗(普)
「えーっと、分かりやすく言うと表紙や挿絵にアニメ調のイラストを使った中高生向けの娯楽小説のことかな。僕もこの頃、少しずつは読み始めているけど、とてもジャンルや種類が多いんだよ」

今川凜子(普)
「へえ~、そうなんだ。どういうのが面白いの、私にも読めそうなものもあるかな?」

中島優斗(普)
「そうだな、今川さんは女の子だから、女の子におすすめとなると何があるかな? ……う~ん、あ! そうだ。最近読んだ中ではアレがいいかもしれない」

今川凜子(普)
「アレって?」

中島優斗(笑)
『キノの旅』(※1)っていうファンタジー作品。ほぼ1話完結型のお話で読みやすいし、旅で得る文化の違いみたいのがテーマだから価値観が広がって面白かったな」

キノの旅

※1
『キノの旅』(時雨沢 恵一/アスキー・メディアワークス)

銃の名手で食いしん坊のキノと、喋る二輪車エルメスの旅を描いたロードノベル。様々な国を巡り、その国の独特な制度や技術など別々の価値観を持った国家や国民と関わりがシニカルに描かれる。物語の情景を美しくリリカルに表現したイラストは黒星紅白が担当している。シリーズ累計で770万部を超える大ヒットシリーズで、2003年4月よりテレビアニメが放送され、2005年には映画化もされた。

今川凜子(笑)
「旅、かあ……いいね、なんか面白そうだね。他にも何かないの?」

中島優斗(普)
「そうだな、『悪霊シリーズ』(※2)とかかな~。主人公の女子高生が、ナルシストの美少年と出会い、変人揃いな仲間の霊能者たちと怪事件に挑むって話。ミステリやホラーが好きな人にはおすすめだよ」

ゴーストハント

※2「悪霊シリーズ」
『ゴーストハント』(小野不由美/メディアファクトリー)

取り壊すと必ず事故が起こると噂されている木造の旧校舎。高校1年生の麻衣はひょんなことから、調査に訪れた「渋谷サイキックリサーチ/SPR」所長・ナルの手伝いをするはめに。彼女を待っていたのは数々の謎の現象だった。旧校舎に巣食っているのは戦没者の霊なのか、それとも――?小野不由美の出世作で、1998年より漫画化、2006年にはアニメ化もされている。悪霊シリーズとはゴーストハントのシリーズの総称を示す言葉。

今川凜子(笑)
「ミステリやホラーか、なんだか読めそうな気がする。私そういう小説は大好きから今度読んでみようかな。他には?」

中島優斗(普)
「そう、それは良かった。……あとは、歴史物で、『彩雲国物語』(※3)とかもおすすめ。自立していく主人公の成長と女性ならではの苦悩とかが描かれているよ」

彩雲国物語

※3
『彩雲国物語』(雪乃紗衣/ビーンズ文庫)

名門紅家直系長姫ながら貧乏生活を送っている主人公、紅秀麗はあることをきっかけにもう一度諦めた夢を叶えようと追い求める。架空の国、彩雲国を舞台に恋愛と夢を紡ぐ中華風ファンタジー架空歴史小説。シリーズ累計650万部を超える人気シリーズで2006年にはアニメの第1シリーズが、2007年には第2シリーズが放映された。

今川凜子(笑)
「女性の苦悩ね~、そういうライトノベルもあるんだ。女子の私からすると入りこみやすいところが嬉しいね」

中島優斗(笑)
「あと僕が知るなかだと『少年陰陽師』(※4)かなあ。これは今まで紹介した作品と違って少年が主人公だけど、女性が入りやすい作風だから読みやすいと思う」

少年陰陽師

※4
『少年陰陽師』(結城光流/ビーンズ文庫)

平安時代、安部清明の末の孫、陰陽師の安部昌浩は相棒の物の怪(もっくん)とともに修行に励む。だが昌浩には『見鬼』の才がなく、まだまだ半人前であった。そんな日々の中、内裏が炎上するという騒ぎがおこり事件に巻き込まれ、昌浩の周りで奇怪なことが起き始める。13歳の少年陰陽師が挑む妖怪ファンタジー。2006年にテレビアニメ化された。

今川凜子(普)
「へえ、ライトノベルって男性向きなモノだとばかりだと思っていたから意外だったよ。探せばあるもんなんだね~女性でも読めるライトノベルってさ」

中島優斗(笑)
「うん、まあね。探してみると意外と面白いもんだよ。機会があったら読んでみて」

今川凜子(普)
「うん。あ、でも……?」

中島優斗(普)
「でも?」

今川凜子(普)
「もうすぐ部活動の時間だから、行ったほうがいいんじゃない?」

中島優斗(困)
「え!? あ、本当だッ! やばいッ、おお、遅れる! ご、ごめんッ! 話の続きはまた今度ッ、今川さん、じゃあ、またねッ!」

今川凜子(笑)
「うん、じゃあね、また明日ね。バイバイ」

中島優斗(笑)
「あ、うん。バイバイ!」

今川凜子(笑)
「……ライトノベルとブンガク部か、なんだか面白そうだね」

……つづく

 

次回予告

中島優斗(普)
「次回予告、どうも中島優斗です」

今川凜子(普)
「こんにちは、今川凜子です」

中島優斗(普)
「今日はありがとね、今川さん」

今川凜子(笑)
「うんん、私のほうもいろいろ教えてもらってありがとうね」

中島優斗(笑)
「こちらこそね。では、次回のブンガク!をお楽しみに!」

今川凜子(笑)
「またね。バイバイ~」