菅野結以がおすすめする “女の子の、女の子による、女の子のための” 本&映画 【第6回】ことば結い
更新日:2013/10/10
今回は、男子禁制。
…とは言いませんが女子ワールド全開なテーマでいかせていただきます。男性諸君はぜひ、彼女の買い物(しかもランジェリーショップ)に付き合うような気持ちでご覧ください。
女性独特の感性や思考が全面に表現された、女の花園的作品群「女の子の、女の子による、女の子のための」本や映画5選をご紹介します。
“女の子の、女の子による、女の子のための” 本&映画
ふんわりと可愛らしいイラストで、残酷なまでに人間の本質だとか真理を描く大島弓子作品は、まさに少女マンガの金字塔だ!と私は思っています。本作には流産をきっかけに心が壊れていく妻とその夫を描いた表題作を含む7つの物語が収録されていて、どのお話にも共通するのが“純粋すぎるがゆえの狂気”とか、“登場人物たちの繊細さや危うさ、脆さ”。そのギリギリ感は悲しいくらいきらきらと眩くて、何度読んでも涙腺崩壊必至の一冊です。
女は、いくつになっても女なんです。
イギリスの田舎町で暮らす老姉妹がある日海辺に打ち上げられた青年を助け、家で預かり世話をすることに。叶わぬ恋と知りながらも青年に恋心をよせてしまい、醜い嫉妬心に自己嫌悪するおばあちゃんはとても愛らしく、そして悲しくて。どんなに年齢を重ねたって、心は可憐な少女のままであること。心と体のギャップがもたらす女性特有の微妙な感情の揺らぎが描かれたストーリーは、淡く切ない恋を知る大人の女性におすすめ。
蜷川実花監督×沢尻エリカ主演で映画化されて話題を呼んだ、あの作品の原作となったマンガ。私的には高校生の頃、人に薦められて読んで衝撃を受けて以来、事あるごとに読み返しては震える一冊でもあります。描かれているのは移り変わりを止められない世の中で、それに抗おうとしたひとりの女の子が堕ちていくさま。岡崎京子作品に登場する女の子は、振り切れているようでいつも切実な苦悩を繰り返していて、どこか他人事とは思えない痛さがある。ぐちゃっとしてるのに、どこか澄んでるんだよなあ。そこが好きです。
乙女心をくすぐるガーリー映画と言えば、今や右に出る者はいないくらい一人勝ち感のあるソフィア・コッポラの初監督作品。ある5人姉妹の死にまつわる物語で、ストーリー自体はダークなもの。なのに淡い質感の映像で描かれる少女特有の繊細さや不安定さは、まるで記憶そのもののように儚く美しくて。女の子って、なんて危うくもきれいな生き物なんだろう!と、切なさに胸がキュンとします。ファッションもイノセントな雰囲気で、どこをとってもまさに女子ワールド全開。甘く広がる余韻からなかなか抜け出せなくなる、白昼夢のような映画です。
前回に引き続き、自分の本ですみませんシリーズパート2。8月に出版した私の4冊目となる書籍、今回は一冊まるごと“美”をテーマに制作した「美全集」。実際に自分で試して良かったものだけを厳選して紹介した溺愛スキンケアアイテム、独自に研究を重ねて編み出したヘアメイクテクニックなど、本当は教えたくない美の秘密を惜しみなく詰め込みました。そして感性を磨く本や映画や音楽、内側から美しくあるために大切にしていることや忘れちゃいけないと思うことを綴ったメッセージページなど、この本は“美容本”ではなく“美しく生きるための本”。コンプレックスと劣等感の塊だった自分だからこそ、書けた本だと思ってます。美しく在りたいすべての人へ、ぜひ。
女子というのはなんとも面倒臭く、そして愛すべき生き物なんだろう。
エンドロールが流れる頃、ページを閉じる頃には、そんな風にどこか哀しくもほっとする。男性はこっそり覗き見てみれば、女心が少し理解できちゃうかもしれません。怖がらずにどうぞ、いらっしゃいませ。
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