メンバー揃ったし学園祭の出し物を決めよう! 『傷物語』ほか ―ブンガク!【第13回】―

公開日:2013/10/24

 中高生を中心に大人気の「ライトノベル」(通称ラノベ)。最近ではテレビアニメ化などの影響でファン層も拡大しています。そこで、ラノベって言葉は知ってても読んだことがない、という初心者向けに“超”入門コラムをお届け!代表的な作品の紹介や、楽しみ方について、作家や絵師など関係者への取材も織り交ぜながら、ラノベ風の会話劇でお送りします。毎月第1・3火曜に更新予定!

制作協力:代々木アニメーション学院 / 文=カンダ ユウヤ 絵=ましま


【前回までのおさらい】
○【第1回】ブンガク部が廃部ってどういうこと?
○【第2回】帰国子女でラノベ好きな美少女あらわる!
○【第3回】ブンガク部の救世主?顧問をさがせ
○【第4回】ラノベ好きな先生からの挑戦状
○【第5回】『東京レイヴンズ』作者・あざの耕平さんに聞いてみた
○【第6回】ラノベって女の子でも読めるの?
○【第7回】中二病でトラブルメーカーってなんなの?
○【第8回】教えて!大人でも楽しめるキャラクター小説
○【第9回】ラブコメはラノベの王道!?
○【第10回】スピンアウト・スピンオフってどういう意味?
○【第11回】なぜ人気?主人公が人外のライトノベル
○【第12回】6人目の部員は引きこもりですが、何か?

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★ブンガク部の部員名簿はこちら!★

~ブンガク部~

佐藤唯(笑)
「おはようございます!」

今川凜子(普)
「あ、おはよう、唯ちゃん!」

佐藤唯(笑)
「あ、今川先輩!」

今川凜子(普)
「中島君から聞いたよ、なんだか大変だったみたいだね。6人目の部員、見つかったんでしょう?」

佐藤唯(困)
「……そう言われればそんな感じでしたね、まあ、少し変わった子でしたけど……」

今川凜子(笑)
「そうなんだ、私も見に行きたかったな、ふふ……」

佐藤唯(困)
「あはは……」

中島優斗(笑)
「……やあ、みんな、おはよう!」

今川凜子(普)
「あ、おはよう」

佐藤唯(笑)
「おはようございます」

中島優斗(笑)
「今日は直斗も連れてきたよ。ん、どうしたんだ、直斗? 後ろに隠れてないで出て来いよ」

佐藤唯(笑)
「え、直斗君も!」

中島直斗(困)
「あ、ちょっと! ……えーと、ここはおはようかな?」

今川凜子(笑)
「へえ、君が噂の直斗君だね、よろしくね」

中島直斗(普)
「あ、はい……」

佐藤唯(笑)
「直斗君、ようこそ。よく来てくれましたね!」

中島直斗(困)
「あ、うん、まだよく勝手が分からないけど」

中島優斗(普)
「あれ、桜井と石田君は?」

今川凜子(普)
「ああ、二人なら朝早くに新入部員が増えたって言う連絡をしに田中先生のところにハイテンションで行ったよ。本当に仲が良いよね。あの二人は……」

中島優斗(笑)
「まあ、いいじゃない。部員も揃ったんだし、はしゃぐ気持ちも分からなくはないよ」

今川凜子(普)
「まあね」

佐藤唯(普)
「直斗君、調子はどうですか? 学校は久しぶりなんでしょう」

中島直斗(笑)
「なんとかね。まあ、しばらくは保健室通いだけど……」

佐藤唯(笑)
「それでもいいじゃないですか、それはそれで進歩だと思いますよ」

中島直斗(普)
「あ、うん。……まあ、ありがと……」

佐藤唯(普)
「はい?」

中島直斗(普)
「あ、ううん。なんでもないよ」

佐藤唯(笑)
「……そうですか、では今日は皆さん何を話しましょうか?」

中島優斗(普)
「そうだね、そろそろ例の行事も近いし、部の出し物についてでも話し合おうか」

今川凜子(普)
「そうだね、みんな何かやりたいことでもある?」

佐藤唯(普)
「……そうですね、私はやっぱり部誌をつくりたいです!」

中島優斗(普)
「部誌か、いいね。で、何を書く?」

佐藤唯(困)
「あ、そうですね。えーと……何でしょう?」

中島優斗(困)
「……オイオイ」

今川凜子(普)
「なら、とりあえず何を書くか話し合わない? まずは内容を模索しないとね!」

中島優斗(普)
「まあ、そうだよね。えーと、何か良い案は……」

中島優斗(普) 今川凜子(普) 佐藤唯(普)
「……う~ん」

佐藤唯(普)
「自作小説とか?」

中島優斗(困)
「う~ん……、ちょっと新入部員には難しいんじゃないかな」

今川凜子(笑)
「それじゃあ、いっそう演劇とか!」

中島優斗(困)
「いやいや、そこまで時間ないから! て、いうか演劇って話題が脱線してるし!」

中島直斗(普)
「……えーと、それならランキング方式の作品レビューなんかどうですか?」

中島優斗(普) 今川凜子(普) 佐藤唯(普)
「……ランキング?」

中島直斗(笑)
「そうです、ランキングです。部員それぞれのおすすめラノベのランキングを作って内容紹介するんです……と思ったんですけど……その、どうですか?」

今川凜子(笑) 佐藤唯(笑)
「なるほど~!」

中島優斗(笑)
「いいね、それ面白いかも!」

今川凜子(笑)
「それなら、私みたいな新入部員でも書けそう」

中島優斗(笑)
「そうだね、それにしようよ……」

佐藤唯(笑)
「ありがとう、直斗君。よかったですね」

中島直斗(普)
「……うん」

佐藤唯(笑)
「そういえば、直斗君はどんな作品が好きなの?」

中島直斗(普)
「……僕は、そうだなあ、伝奇ものとか、ミステリーとか好きだよ、作品で言うと『空の境界』(※1)とか『傷物語』(※2)とかかな」

Fate/Apocrypha

「空の境界」(※1)
『空の境界』(奈須 きのこ/講談社)

二年間の昏睡から目覚めた両儀式が記憶喪失と引き換えに手に入れた、あらゆるモノの死を視ることのできる“直死の魔眼”。ナイフだけであらゆる物を“殺す”事ができるその力は、式を昏い世界へと誘っていく。数々の怪異と式の魔眼が衝突する時、忘れられていた記憶が蘇る──。同人小説から出発し、“新伝綺”ムーブメントを打ち立てた作品。2007年より全7章と終章で構成された劇場版アニメが順次公開され、当初単館での公開だったが、話題が話題を呼び最終的に大ヒットを記録した。現在は新作劇場版アニメ『空の境界 未来福音』が絶賛上映中である。

 

Fate/Apocrypha

「傷物語」(※2)
『傷物語』(西尾 維新/講談社)

私立直江津高校に通う高校二年生、阿良々木暦は春休みの初め、同級生である羽川翼のパンチラを目撃したことがきっかけで彼女と友達になる。その日の夜、瀕死の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに出会い、暦は彼女に自身の血を吸わせることで、死に往く運命にあった彼女を助ける、目覚めると彼は吸血鬼と化していた。それから暦は、友人の羽川翼と怪異の専門家、忍野メメの助力を得て立ち塞がる三人の吸血鬼ハンターとの死闘を繰り広げていく──。同作品は『化物語』からはじまる西尾 維新〈物語〉シリーズ第二弾で、現在、劇場版アニメの公開が予定されている。

佐藤唯(笑)
「そっか、なら直斗君のランキングもそんな感じになるのかもしれませんね」

中島直斗(普)
「どうなんだろうね、やってみるまではまだわからないけど……あ、でも、この行事ってなんの行事なの部の発表会か、何か?」

佐藤唯(笑)
「まあ、それは学園祭ですけど……」

中島直斗(普)
「……え!?」

キ~ン♪ コ~ン♪ カ~ン♪ コ~ン♪

今川凜子(普)
「あ、もうこんな時間だ。そろそろ教室に戻らないと……」

中島優斗(普)
「そうだね、今日はこれくらいにしておこうか、じゃあ、また放課後に続きを話そう」

佐藤唯(笑)
「はい、分かりました。それじゃあ、直斗君もまたね!」

中島直斗(普)
「……あ、うん、また、ね……」

中島優斗(普)
「……あれ、直斗どうしたんだ、顔色が悪いぞ」

中島直斗(困)
「……兄さん、この企画って学園祭なの?」

中島優斗(困)
「ああ、そうだけど、どうした?」

中島直斗(普)
「……そうなんだ、あはは……」

中島優斗(困)
「ん?」

……つづく

 

次回予告

中島優斗(笑)
「こんにちは、中島優斗です」

中島直斗(普)
「同じくこんにちは、弟の中島直斗です。ところで兄さんもうすぐ学園祭なんだよね」

中島優斗(笑)
「ああ、そうだよ。これから忙しくなるから頑張れよ!」

中島直斗(困)
「……ごめん、兄さん、やっぱり、帰りたい」

中島優斗(困)
「いやいや、もう少しだから頑張って! では……」

中島優斗(普) 中島直斗(普)
「次回の『ブンガク!』もお楽しみに!」